問 私は就職が決まり、入社予定の会社の人事の方が私の在留資格留学生の在留資格から技術・人文知識・国際業務への在留資格の変更する申請をしてくれたのですが、不許可になってしまいました。会社も私も当然許可されるものと思って、私は入社前教育の研修会にも参加していました。会社からは在留資格が不許可の場合は採用を取り消すこと、また、本来在留資格の変更は本人がすることだとも言われました。私はこれからどうすればいいのか分かりません。母国に帰らなければならないのでしょうか。


答 在留資格の変更や更新が不許可、若しくは在留資格認定証明書が不交付というのは、会社を含めて一般の方が申請した場合は時々発生します。もちろん入国管理局に届出済みの行政書士が相談にのり、入国管理局へ取り次いだ場合も稀に発生します。そういう場合は、まず第一に申請人本人(日本にいない場合は代理人の方)が審査窓口の入国管理局に不許可(または不交付)通知書を持って不許可(または不交付)の具体的な理由を聞きに行くことをお勧めします。

一緒に同席した経験から言うと、審査官が具体的な理由を言ってくれることはあまりありませんが、その理由を推定できる程度のことは教えてくれます。そのとき、できれば入管法令をある程度正確に理解していて、さらに法令の運用(窓口の法解釈)もある程度理解している実務経験のある専門家(多くの場合、入国管理局への申請取次届出済行政書士)に同行してもらった方がいいと思います。但し、不許可(または不交付)の理由を聞くのは、あくまでもあなた自身であることを忘れない下さい。

というのは、入国管理局では平成16年10月1日入管局長通達から比較的最近では平成18年5月8日事務連絡まで何度か不許可・不交付の理由が不明確であること、あるいは法令の定めるいずれの要件に適合しないのか正確な事実認定に基づいて判断しなければならないこと等が内部通達や事務連絡という形で行われているので、申請人(若しくは代理人)からの質問にもある程度答えてくれます。不許可(または不交付)の理由は色々あります。そもそも要件に適合しないこともあれば、要件に適合していてもそれを立証する提出した資料が不足していることもあります。

私自身も申請人が会社に協力してもらい自分で申請して不許可になったケースで、後日在留資格に適合する業務がどの程度発生するのか立証書類を揃えるよう助言して入国管理局に取次ぎ、最初の不許可から1ヶ月程度で在留資格認定証明書の交付を受け、その認定証明書を添付して申請人の短期滞在(帰国準備)の在留資格から就労資格への変更を許可してもらったことがあります。すぐあきらめずに、ある程度経実務経験のある専門家に相談したらいかがでしょうか。
17年08月31日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私の上海の友人から「短期滞在の資格で日本に入国し、入国後、日本で就職活動をして採用されたらそのまま就労資格に変更できるか。」聞かれました。実際のところ、そのような変更は可能なのでしょうか?

答 原則としてできません。入管法第二十条第3項には「(在留資格の変更の)申請があった場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、【やむを得ない特別の事情】に基づくものでなければ許可しないものとする。」(【 】は筆者挿入)と定められています。

それでは、この【やむを得ない特別の事情】とはどのような事情なのか?ということですが、これについて、入国管理局が具体的な先例を公開しているわけではありません。

ただ、参考として東京地裁は、「・・・・短期滞在の在留資格で入国したものが長期在留等を希望するときには、いったん出国し、その在留資格に見合う査証を所持して、入国審査を経て入国するのが本来の形態であるから、このやむを得ない特別の事情とは、①短期滞在の在留資格を有する者について入国後に新たに在留資格の変更を必要とする事情が発生したこと、②当該申請者がいったん出国してしまうと、その変更申請に係る在留目的で再度入国することが極めて困難であること等の特別の事情をいうものと解すべきである。」(平成6年3月30日判決)と判示しました。

また、短期滞在の在留資格から他の在留資格「日本人の配偶者等」あるいは「定住者」等に変更が許可される場合がありますが、ここでの質問事項ではないので解説を省略させて頂きます。

なお、最初に「原則として」と断ったのは「短期滞在の資格から就労資格への変更」が許可されないことの例外がこの「やむを得ない特別な事情」の他にもあるからです。
具体的には、短期滞在期間中に就労資格の在留資格認定証明書交付申請をして(この申請は在留中でも国外にいても可能です。)、短期滞在期間中に許可を受けた場合は、交付された在留資格認定証明書を添付して、「短期滞在の資格から就労資格への変更」許可申請をすることが可能です。
また、仮にこの変更許可申請期間中に短期滞在の在留期限が到来した場合も審査中なので、そのまま在留することが認められます。
ただし、この場合においても「短期滞在」の目的が「観光、短期商用、又は単なる友人知人訪問等」ではなく、事前に会社訪問の予定や就職試験を受けるために「短期滞在」することを明らかにして、在外公館(大使館、総領事館)へ短期滞在の査証を申請することをお薦めします。
13年09月09日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 7年前に父が亡くなり、母国に年老いた母が一人取り残されました。兄弟はいません。幸い私の仕事は順調で母を扶養する位の収入もあります。このような事情ですが母を呼んで日本で一緒に暮らすことはできますか?

答 このような場合、お母さんを日本に呼べるかどうかよりもお母さんがどのような生活を望んでいらっしゃるかということが重要なのではないでしょうか?
仮にお母さんが年老いて病気がちであったとしても、お母さん自身はあなたからの金銭的援助を受けながら(お母さんが望まなくても実際には助かると思います。)生まれ育った故郷で友人たちに囲まれながら楽しくおしゃべりして過ごすことの方を望まれるかもしれません。

そこで、一度日本に親族訪問を目的にして「短期滞在」のビザで呼び寄せてみたらいかがでしょうか?でも、ひょっとしたらお母さんはもう来日経験がお有りなのかもしれませんね。
もしお母さんが日本で長期に滞在することを望んでいるのでしたら、「家族滞在」(配偶者及び子)の在留資格は該当しませんので、しいて挙げれば「特定活動」の在留資格で呼び寄せるしかありません。
但し、この在留資格を認めてもらうためには、厳しい審査をクリアしなければなりません。「特定活動」に該当する活動自体は入管法別表第二と法務省「特定活動」告示に定められているのですが、親に対する「子の扶養を受ける活動」としての「特定活動」に関しては、そもそも入管法が想定していなかったので明確な許可基準が公表されているわけではありません。したがって必ず許可されるとは限らないのです。

ただ、次のような事情がある場合は許可される可能性があるとは思います。
①高齢であること。概ね70歳以上、但し、他に傷病や障害があった場合は70歳未満でも年齢だけ考えると認められることがあるかもしれません。
②母国に他に親の世話をする他の親族がいないこと。ただ、単にお母さんが困窮しているというだけでは日本に招へいする理由にはなりません。日本から送金すればいいだけなのですから。
③あなたにお母さんの扶養能力があること。もちろんあなたに税金の滞納がないことや安定的な収入があること等が必要です。
④お母さんが日本での就労を予定していないこと。

なお、お母さんの「特定活動」は「子の扶養を受けること」が目的なので、「あなたの子(お母さんからみると孫)の世話をすることは、仮にかなり特殊な事情があったとしても認められないことに留意して下さい。
13年08月07日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私は「永住者の配偶者等」の在留資格で日本に滞在して来たのですが、「永住者の配偶者等」の在留資格も永住者と同じく在留期限がないものと勘違いして更新しないまま4ヵ月が過ぎてしまいました。今、夫ともに途方にくれています。どのようにすればいいのか教えて下さい。

答 実際のところ、このようなメールの問い合わせだけでは必ずしも的確なアドバイスをすることが難しいのです。「うっかり更新し忘れた」あなたの詳しい事情、いつどのように気がついたのか、家族の状況、生活費、あなたの婚姻生活の状況や素行、日本での滞在期間、他の法令に違反したことの有無等、本来なら詳しくお聞きしなければ的確なアドバイスができません。

そこで、ここでは基本的に他の法令違反はないものとして、また円満に婚姻生活を送ってきたものとして一般的な対処法についてご説明します。

1.1日も早くあなたがお住まいの管轄の入国管理局に夫と共に出頭して下さい。
すでに不法滞在の状態にあるのですから、いつ入国管理局に摘発されたり警察に逮捕されてもおかしくありません。決して甘く見ないで下さい。あなたは免許の更新をし忘れて車を運転しているのと同じなのです。
なお、あなたが入国管理局に出頭するのに気がかりなことがあれば一度専門家を訪ねて率直に相談してみて下さい。

2.あなたに在留期間を超過したこと以外の退去強制事由がないこと、入国後に窃盗等の所定の罪により懲役または禁錮に処せられていないこと、過去に退去強制または出国命令を受けて出国したこと等がなければ、基本的に収容されることはないと思います。

3.出頭後入国警備官による1回目の違反調査が行われます。そこであなたは出国命令制度で帰国(1年間は再入国不可)するか、引き続き日本に滞在を希望する理由を述べて、法務大臣に対し在留特別許可の申請をするか決めなければなりません。
なお、この在留特別許可の申請は退去強制手続きの中で行われる入国審査官への口頭審理の請求や特別審理官への異議の申出という手続きで行わなければなりません。また、注意しなければならないことは、在留特別許可が不許可になった場合は退去強制令書が発布されて退去強制(原則として5年間は再入国不可)になります。
この手続きについても、もし不安や判断に迷うなら一度専門家に相談してみることをお勧めします。まじめな専門家であれば相談料も低料金です。

4.あなたが入国管理局に出頭したからと言って、あなたの不法滞在の状態が解消されたわけではありません。これから違反調査や審査が始まるわけですから、働くこと(不法就労)も旅行に行くこともできません。自宅で待機しているしかないのです。万が一、その間に交通事故に遭遇して警察の事情聴取を受けたときは、不法滞在であることが判明して入国管理局とは別に逮捕されることもあり得るのです。


許可や免許を受けていても、うっかり更新し忘れたということは誰にも起こり得ることなのかもしれません。しかし、外国人の場合はお互いの国からの退去という結果をもたらすことを忘れないで下さい。
また、同じ不法滞在でもそれに至る事情がもっと複雑で現在も深刻な状況にある方がいらっしゃるかもしれません。どうぞ一度相談してみて下さい。
13年06月18日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私の知り合いで日本に長く住み永住資格を持っていたのですが、母国の男性と結婚してその男性が来日して、しばらくしてから永住資格が取り消されてしまったということを聞きました。本当にこういうことがあるのでしょうか?あるとしたら、どういう場合に永住資格が取り消されるのでしょうか?

答 もう少し詳しく聞いてみないと、なぜあなたの知り合いが永住資格を取り消されたのか分かりません。
ただ、考えられるのは、あなたの知り合いの結婚相手が「永住者の配偶者等」として日本に入国するときに何らかの不法行為(虚偽文書の作成とか)を犯し、あなたの知り合いがそれを「あおり、唆(そそのか)し、又は助けた」(入管法第24条第1項4号ル)ことがあったのかもしれません。これに該当すると、日本政府は「本邦からの退去を強制することができる。」ことになっています。「・・・できる。」ですから、退去強制にならず他の在留資格に変更させて結果的に永住資格の取り消しになることがあるのです。

一般的に、永住者の許可を受けると転職や出入国、結婚・離婚等も自由で取り消されることはないと考えられがちですが、そんなことはありません。永住資格を持って日本に滞在する上で注意して頂きたい取り消しになりそうな典型例をいくつか挙げておきます。

1.永住者の在留資格の許可後、何らかの事情により過去日本に入国したときや永住資格の申請したときに、虚偽・変造文書等を作成して許可を受けたことが発覚したとき

2.現在の在留カードは、出国しても1年(特別永住者は2年)以内に帰国するのであれば再入国の許可は受けなくてもいいのですが、何らかの事情により帰国が1年(特別永住者は2年)を超えてしまったとき(なお、予め1年を超える可能性がある場合は、従来どおり再入国の許可を受けておくことをお勧めします。)

3.新しい在留管理制度の下では、日本に3ヶ月以上滞在する中長期滞在者は住民基本台帳法に基づき、入国後14日以内に居住する市町村に住民登録することになっていますが、この住民登録は永住者も当然行わなければなりません。永住者(中長期滞在者も)が90日を超えて転出届や転入届を提出しなかったり、居住地について虚偽の届出をした場合は永住資格(中長期滞在者の在留資格も)が取り消しになることがあります。

4.刑法に定める一定の罪名(全てではない。)に違反して懲役又は禁錮に処せられたり、麻薬及び向精神薬取締法、売春防止法に違反した場合等も、いずれも退去強制になることがあるので、その場合は出国すると結果的に永住資格が取り消されることになります。

この他にもパスポートや在留カードの有効期限が経過しているとか色々考えられるのですが、永住者として引き続き日本に滞在するためには、刑法その他の法律に違反して犯罪行為をしないこと、出国しても帰国するには期間があることを忘れないこと、特に入管法に係る虚偽文書の作成やその譲渡や貸与の斡旋等にも一切係わらないこと等に注意して下さい。
13年04月11日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
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在留資格(いわゆるビザ)の申請が不許可になったのですが。短期滞在資格から就労資格への変更ができますか?母を呼び寄せて一緒に暮らせますか?うっかり更新し忘れてオーバースティになったのですが・・・永住資格が取り消されることはありますか?産業廃棄物業に外国人技能実習生を受け入れることはできますか?結婚しなくても日本人の子どもがいたら、日本で暮らせるのですか?永住者の妻は永住者になりますか?私の夫は刑務所です。どうすれば・・・中国のマッサージ師やはり・きゅう師を来日させることはできますか?
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