大和生命破綻 投資依存の株下落が直撃

保険本業の弱い足腰

 中堅生命保険会社の大和(やまと)生命保険が10日、経営破綻(はたん)に追い込まれ、米国発の金融危機が日本にも波及した形となった。大和生命は、損失が生じるリスクが高い代わりに高利回りが期待できる金融商品に資金を投入する経営方針を貫き、市況が好調な際には業績を上げてきた。しかし、その手法があだとなり、国際金融市場の荒波に足をすくわれた。(山田滋)

 10日午前、都内で記者会見した中園武雄社長は「世界規模の資産価値下落の影響が想定を超え、対応することができなかった」と釈明した。同社は11日以降、全国6か所で債権者集会を開き、3連休中も契約者からの電話での問い合わせに対応する。

 大和生命は、2008年3月期決算では6億円の税引き後利益を確保した。その際には、資産の運用利回りが契約者に約束した利回り(予定利率)を下回る「逆ざや」も発生せず、財務に大きな問題はないと説明していた。


 ただ、生保各社が開示した08年4〜6月期決算を公表しないなど、経営の透明性は低く、業界内では経営危機がささやかれていた。

 破綻を招いた最大の理由は、業界でも特異な資金の運用方法だ。

 高い運用利回りを確保するため、外貨建ての証券化商品や不動産投資信託(REIT)など、価格の変動が激しい金融商品に多額の資金を投資していた。

 大手に比べて営業力が弱く、保険料収入に占める販売コストなど事業費の比率が2倍も高いことが、高リスク商品での運用に走った理由だ。

 こうした商品の保有有価証券全体に占める割合は42・2%に達し、大手生保9社平均(24・9%)をはるかに上回る。市況が好調なときは運用利回りが他社を2倍以上も上回る反面、07年にサブプライムローン問題が表面化した後は、相場悪化の影響をもろに受けた。

 今年4月以降、投資ファンドなどに支援を求めたものの、金融市場の混乱で急速に信用力が低下し、交渉は暗礁に乗り上げていた。

 1日に大和生命の格付けを引き下げた格付投資情報センターの植村信保チーフアナリストは、「国内生保は、相次いだ破綻の教訓から内部留保を増やすなど耐久力を強めている。大和生命は規模が小さく、収益の効率も見劣りしていた」と指摘する。

 大和生命は今後、受け皿となるスポンサーを探す。しかし、経営難に陥った米保険最大手AIGが、傘下のアリコジャパンなど国内3生保の売却方針を表明するなど、保険業界の再編が始まりつつある中、単独での生き残りは厳しいとの見方もある。

 金融市場の混乱が収まらない現状では、投資ファンドなども積極的に支援に乗り出しにくく、再建は難航しそうだ。

(2008年10月14日 読売新聞)

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最近、多忙でなかなかブログ更新できずすみません。

別に今の金融危機でお客さまに損害を与えていて、お詫びに走っているわけではありませんが、だいぶ本当の総合的FPが認知されてきたのか、相談依頼が多くなりました。

大和生命が破綻して、久々の保険業界への注目が高まりました。

行政やマスコミはなんの目的か、あまり取り上げない(大和生命は特別だ。他の保険会社は問題ないとの見解)のですが、この金融危機でほとんどの保険会社がダメージを受けたのは事実。

投資目的の保険商品を持っている方は、そのまま持つべきか解約すべきかきちんと検討されたほうがよいですね。