去年の今頃、ある方の土地売却の案件で各士業に見積もりをお願いして頭を痛めていたことがありました。

【問題】
親子共有名義の土地を分割して片方だけを売却する。
残った土地は子どもの名義とする。
もっとも親子の金銭的負担が少ない方法はどれか。

とても単純なように思えますが、実はとても複雑。

まず土地家屋調査士に測量費用と分筆登記費用の見積もり。

司法書士に分筆による所有権移転登記の報酬と登録免許税の見積もり。

税理士に通常の所得税の確定申告と
譲渡の確定申告の見積もり。
相続時精算課税制度の確定申告の見積もり
更に不動産取得税の見積もり。

これだけならまだ簡単なのですが。まだ大物があります。

それが健康保険料。

親・子それぞれに負担に上限があるので、安易に共有のまま売却するよりも片方に集中した方がいいんですが、そのためには上記のような費用がかかる。

更に親の健康保険料を高くすると窓口での自己負担が1割から3割に増える。

高齢の親が大病を患う可能性は高いです。この自己負担で年間100万円くらい変わるかもしれません。

これらの費用をトータルしてどういう手段がもっとも安くなるか計算しています。

別に珍しいケースでは無いと思います。

ただ、こういう不動産の売却を依頼された不動産屋がここまで考えて売却方法を提案しているかどうか。

高いケースと安いケースでは100万円以上の差が出ていることを確認しています。更に医療費の窓口負担を考えると更に100万円の差。

不動産の売却の相談する人をきちんとすることで100万円以上の損になるか得になるかがわかれますよ。