“成績考課制度”では、“考課(評価)項目”だけは、いつでも自由閲覧できるように、必ず公開したほうがよい。ある会社の場合を紹介します。
 たとえば、取引先などから、「おタクの女子社員の電話応対は、すばらしい」という声が舞い込む。事務職の女子社員の“考課項目”は、つぎの4項目である。
 1、事務処理の正確さ・・・ミスのない処理で、トラブルのない事務能力があるか。
 2、事務処理のスピード・・・テキパキとした、迅速な事務処理能力はあるか。
 3、電話応対力・・・相手に好感を与えるような、明るい的確な応対をしているか。
 4、接遇マナー・・・社外の方はすべてお客さま、という気持ちを込めて接しているか。
 以上の4項目を公開している。何のトラブルもない。それどころか公開により、彼女たちに自己啓発目標や努力目標を明示するわけであり、みずから進んで勉強もする。
 ところが有名な大企業でも、こういう公開をしている会社は非常に少ない。
 いうまでもなく考課項目は、仕事の種類や性格(職種)により異なる。
 従業員をホンモノの人材にしたいのなら、ぜひ“考課項目”の公開をする方向で制度化をするのがいい。制度全体を隠すのは、人事に無知な人間のやることである。
 ただ、人を評価するのは難しい。人が人に点数をつけるのは不可能に近いと思っている。
 でも、しなければなりません。皆さん、ガンバって下さい。