生活環境の変化が、企業に商機をもたらし、同時に企業に危機ももたらす。変化の海を巧みに泳ぎ、我が社の利益に結びつける人を“チェンジメーカー”と呼ぶ。変化を先取りする人である。
 みずから変化の渦を巻き起こす人とも解釈できる。
 反対に、変化に鈍感というか、変化を変化として自覚できない人を“チェンジテーカー”という。変化の後追い人である。
 いま外歩きで気付くことは、どんどん「ミニ(小さな)スーパー」が増えている。
 「まいばすけっと」はイオン系、「食品館」はイトーヨーカドー系である。これは全国的にどんどん単身者が増え、しかもそのまま高齢化し、自宅近隣で買い物をするシングルショッパーが増えたからである。この傾向は、大きな社会現象とも言える変化である。
 いま子供が巣立ち夫婦二人暮らしの人は、間違いなく単身暮らしの予備軍である。
 単身生活者問題を、他人ごとと思っている人は、とんでもない認識不足、早く自覚するといい。
 ところが、近隣で買い物をしたいができない。「まいばすけっと」もなければ「食品館」もない。つまり都会と縁がない、過疎地暮らしの単身者や高齢者たちがいる。
 そこでいま何が起きているか。
 “7イレブン”や“ローソン”などのコンビニが、車による移動販売を始めたのである。過疎地に商機が訪れたのだ。
 「過疎地じゃ商売にならない」、のは過去のこと、十分に採算が取れるというのだ。移動販売といっても毎日来るわけではないから、「まとめて買っておこう」ということで、顧客単価が高い客が多いというのだ。