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 このところ、遅発性統合失調に関るお問い合せがたくさん入ります。私たちは、医療機関ではないので、診断をすることはできません。ですから、ご家族からご様子をうかがって、それに対してこの疾患であると断言することはしていません。ただ、以前から、この疾患が疑われる方ご本人からのご相談や、そのご家族からのご相談は数多く受けてきていました。あるいは、このままの状態を続けると、この疾患に移行する可能性があると予測される方の生活面でのお手伝いもしてきました。

 この疾患は、年齢が高い方が発症する統合失調症で、急に被害妄想が強くなったり、幻聴や幻視がおきたりすることで周囲が気付くようです。疑心暗鬼の度合いが著しくなります。
 加齢によって、脳の機能が低下することが、一つの原因ととらえられているそうです。しかし多くの場合、孤独や孤立、あるいは過去へのこだわりなどが強い人に多いため、生活環境も深く関っているようです。他人が自分を誹謗中傷していると思い込んでしまったり、常に誰かに見張られていると訴えたりします。実際に、疾患にまで移行してしまうと薬物治療が必要となりますが、多くの場合病院に行くことを強く拒否します。

 周囲が否定的であったり、あるいは、病気であることを伝えると、かえって頑なになってしまうため、まず、寄り添うことが求められます。特に、疾患に移行する前の早い時期であれば、周囲が頭ごなしに否定しないことが求められるようです。孤立していることが原因であることが多いため、それを避けるような配慮も必要と思います。人間関係、家族関係が希薄になりつつある今、この疾患が増えていくことが心配されます。

 若年性認知症や統合失調症などの精神疾患は、普通の生活を営むことができる場合が多いため、周囲から見ると、被害妄想が強い程度で疾患とは気付きません。ただ、事理を弁識する程度が低下しているため、法律的に保護するためには、保佐や成年後見を念頭に入れる必要が生じます。疑心暗鬼が強くなる反面、騙されやすい一面も生じます。もし身近な方にこういった様子の方がいらっしゃる時は、早い時期のご相談をお勧めいたします。
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08年07月23日 | Category: 家族関係・相続・遺言
Posted by: sakata
08年07月16日

相続と人間関係

 相続の問題というと、資産のある家に限られると思っておられる方も多いと思います。しかし、私たちの相談室では、僅かの遺産をどうするかといったご相談がほとんどです。そして、むしろそういったケースの方が問題が複雑である場合が多いようです。
 家族関係は、以前と大きく様変わりをしているようです。少子化や親族関係の希薄さが、相続の問題を複雑化させる要素になっているのかもしれません。

 相続に関わる問題を解決するには、法律的な面以上に、お互いの人間関係とその背景にある心情的な部分を考えていく必要があるように思います。遺された家族が、相続の問題で関係を悪くしてしまうことは避けたいものです。そのために、遺言を遺したり、負担付贈与契約などを用い、生前に自分の意思をしっかりと家族に伝えることは大切なことかもしれません。
 
 最近目立つのが、いわゆる逆縁と言われる相続の問題です。長寿社会の中で、自分より先に自分の子孫が他界することは珍しいことではなくなりました。
 姑より先に夫が他界し、長年住んでいた家の土地が姑名義であったため、姑の死後、夫の親族から立ち退きを求められた例。息子に家屋を譲った老夫婦が、息子と嫁の相次ぐ他界で、ほとんど縁のない嫁の兄弟に権利が移り、家に住めなくなった例など事例は様々です。

 こういった事例では、法律には融通のきかない面があります。相続に関する法律のすべてを熟知することは大変なことかもしれません。でも、未来に備えて、自分の場合どういった相続が想定されるかについては事前に知っておくほうが良いのかもしれません。
 墓所の継承など、今の時代の相続ではまだ様々な問題が起こり得るようです。良い家族関係を継承していくためにも、一度相続と向き合ってみるのも良いかもしれません。

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08年07月16日 | Category: 家族関係・相続・遺言
Posted by: sakata