●営業日報にバッドニュース欄を加えよ
 経営のイロハだが、社長はバッドニュース(悪い情報)ほど、一刻も早く把握しなければならない。経営も人間も、ないに越したことはないがどうしても、いずれは自分(社)の不利益になる、マイナス情報に突き当たることがある。
 経営では、自社の商品や人に対するクレーム、あるいは、変な噂や悪評というのは、小さいうちに解決したり、その芽を摘み取らないと、大変な問題に発展することもある。
 たとえば大問題になり知っている人も多い、湯沸かし器による客の死亡事故で、社長が有罪になった事件などは、バッドニュースに対する会社の姿勢が、いかにいい加減だったかわかる。
 そこで考えなければいけないことは、営業マンを名実ともに“情報アンテナ”として活用することだ。そのために、営業日報に得意先や顧客からの苦情や悪評欄をつくることだ。

●「龍角散」の社長だった藤井康男さん(故人)は、「社長に悪い情報が、ほとんど入ってこないというのは、経営危機の兆候だ」と言っていたほどである。
 大阪の大手K社は、鉄鋼製品の伝統的なメーカーである。
 このK社は、子会社のKハウスを会社ごと売り払ったが、このKハウスは、商品である住宅への苦情というバッドニュースが、苦情の巣窟のように集まっていたものだ。
 東京支店の幹部の一人が、自宅を新築した。しかし他社の製品だった。
 ある人が、「なぜ、自社の家にしないのか?」と尋ねたら、「いざ自分の家となったら、自分の会社では建てたくないです」と答えたという。社長はこんなこと、全然知らなかった。
11年07月01日 | Category: profile
Posted by: mao
●“計数”はビジネスの合い言葉だが?

 “計数はビジネスの合い言葉”と言われる。当り前のことである。
 ところが計数を、特に営業活動によって生じる数字を過信すると、その数字をもたらした原因を解明しないで、問題の核心を見過ごしたまま、先へ進みがちである。
 営業関連の計数には、営業活動と密接不離なものが多い。たとえば、「売上目標」という数字がある。それも、「対前年同月比」もあれば、「対前月比」もある。
 ところがY営業所の目標達成率が、仮に85%とすれば、目標より15%も下回る。
 すると、司会者や上司による先導の上、こんな論議に時間を割く会社がある。
 「Y営業所を除く全営業所の平均達成率は96%だが、その平均値よりも下回る……」
 「この平均値割り込みが、もう3ヶ月も続いている。全社目標の足を引っ張っている……」
 「当社は長い間、目標との誤差率は一桁以内だ。二桁の狂いは問題だ……」
 「これだけ狂っては、目標が目標にならないのでは?……」
 「この調子では、来月も非常に心配される……」
 こういう論議をよく見てみると、「なぜ、そういう結果になったのか」という、数字をもたらした“原因の特定と分析”が、そっちのけにされていることがわかる。
 こういう会議は俗に、“数字ごっこ”とも呼ばれるが、こういう数字ごっこに陥る組織には、しばしば会議の主導者に、計数かぶれの人がいるものである。

 会議に用いられる営業資料にしても、簡単にいえば、数字、数字、数字のオンパレードが多いのである。そしてみんなの意識には、カンと度胸と経験という古いやり方ではなく、数字を駆使して、非常に科学的な会議を採り入れている……という自負めいたものさえあるものだ。

 ではなぜ、営業現場の問題特定や分析を遠巻きにして、“数字ごっこ”で、効果につながらない時間を浪費するのかというと、会議の主導者(社長の場合が多い)が、現場の実態を知らないケースが多い。

 さて、“数字ごっこ”という、一見科学的な似而非(エセ)会議をしないためには、いろんな手の打ち方があるが、ここでは〈売上目標〉の設定について、留意事項を述べてみたい。

 〈売上目標〉を金額で示したならば、次に大事なことは、〈主要達成手段〉も並記する(させる)ことである。(目標達成手段として優先順位の高いものから、三つの要点を添えること。)
11年06月01日 | Category: profile
Posted by: mao
11年05月01日

■危機管理

◆今度の東日本大震災の事後処理で、自衛隊の存在価値が、大きくクローズアップされた。自衛隊が大きく役に立っている。
 そこで紹介したいのが、三国志に出てくる台詞である。
 「兵を養うこと千日、用は一朝にあり」
別な解釈を添えれば、つぎのようになる。
 「軍隊を育てるには、長い時間と高いコストがかかる。しかし、この軍隊こそが突発的国難のとき、強い助っ人になってくれる」
 しかし「自衛隊は要らない」という有名な政治家もいる。
 こういう人たちは、いまも国難ともいうべき震災の事後処理に、困難きわまる障碍を乗り越えて、獅子奮迅の努力をしている自衛隊について、どう思っているのだろうか。
 こう考えると、「自衛隊は要らない」と言ってきた人たちには、万一のときという危機管理意識が、非常に薄い人たちに見える。

◆危機管理意識は、中小企業には、特に必要である。
 上場企業の場合は、企業が銀行融資を受けるとき、社長に個人保証を求めることはない。しかし中小企業の場合は、社長個人の土地や住宅、あるいは所有株式などを担保として求めることが多い。
 つまり中小企業は、経営者と会社が一蓮托生なのである。
 そしてまた、従業員も一蓮托生の構成員なのだ。
 ところが、経営者が急死したりすると、やがて会社も後を追うようにして、死ぬ(経営が破綻)ケースがとても多い。
 経営者が、“自分に万一があったときは”という認識が乏しいと、万一に際してのとばっちりを食らい、生活が成り立たなくなるのは、まず従業員たちなのである。
 だから経営トップが60歳を超えたら、“自分も万一年齢に達した”と自覚し、自分が急死したとき、直ちに経営を引き継ぐ人材は育っているか、と自問自答すべきである。
 経営者は、“自分には従業員の生活を保証する責任がある”という自覚が欠かせない。その自覚は、自分に万一のときの後継者はだれか、という認識と具体的な行動にかかっている。
 危機管理(リスク・マネジメント)は、中小企業の経営者にも、重要この上ないことなのである。

 合わせて、事務所で勧めている生命保険を利用した「企業防衛制度」にも、ご検討の一つに加えていただけたらと思う 今日です。
11年05月01日 | Category: profile
Posted by: mao
 ある会社の、営業所を訪ねた。
 たまたまFAXが、どこからか届いていた。受け取った女子社員が、それを見ながらウフフと笑い、「ミヨちゃんらしいわ・・」と、つぶやいた。送信者は女友達らしい。
 もう少しくわしく紹介しよう。このFAXは、A営業所のミヨちゃんと呼ばれる女子社員が、B営業所の親しい女子社員に事務連絡をとった社内連絡のFAXだったのである。
 こうやってしばしば、事務連絡をとるうちに、ついでに私的な用件まで、同じFAX用紙で連絡し合うようになったのである。
 この日の連絡は、「今度の日曜そっちに行くから、夜一緒に飲もうよ」というものだった。二人とも酒好きらしい。
 この例でいちばんの問題点は、彼女たちにコスト意識が全然ないことである。FAXにかかる費用は、今更いうまでもなく、電話代なのである。活字や図表が増えるほど、スピードは落ちて費用がかかる。
 たかが○円じゃないか・・という問題ではないのだ。
 三菱財閥を起業した岩崎弥太郎は、側近の近藤康平(のちの日本郵船社長)が社用便箋を休暇届けに使ったといって、減俸処分にしたことがある。のちに岩崎は近藤を慰めた。
 「目に見えるムダは、手が打てるからいい。しかしはっきりと認識できないムダがこわい。たかが紙一枚だが、きみに犠牲になってもらったお陰で、最近組織が引き締まった」と。
 たかがFAXだが、組織のタガは小さな所からゆるむ。
11年04月01日 | Category: profile
Posted by: mao
●成績下位者も褒めなさい
 経営トップの腕前は、人の動かし方活かし方にある。
 それも、「右向け右」と号令かければ、左を向くような、じゃじゃ馬や暴れ馬を手なづけて思いのままに動かすような用兵の妙こそ、人と組織の活性化に通じる。
 ところで貴社では、営業マンを褒めていますか?
 こう尋ねられると、「もちろん」と答える会社が多い。ところが続いてこんな質問をする。
 「営業実績が、低迷した下位の人たちも褒めていますか?」
 すると多くの会社が、「どうして、成績の悪い連中まで褒めるんだ?」という感じで、褒めてはいない会社が圧倒的に多い。要するに表彰は、成績上位の者ばかりなのである。
 しかし社長が、全営業マンの成績平均値を底上げし、会社の業績を少しでも底上げしたいと、強く願うのなら、成績低迷者も褒めることを工夫するがいい。
 こういうと、「成績の低い者を、一体どうやって褒めるんだ?」という人がいるが、ある人が実際にやった方法をご紹介しよう。
 あるバッグ袋物の問屋でのこと。組織に信賞必罰のメリハリはなく、活力もなく、ただ惰性で動いている営業組織だった。
 そこで考えたことは、営業組織への何らかのインセンティブ(刺激策)が必要と考え、その一つとして表彰(褒める)基準を整備した。上位を褒めることに余計な神経は要らなかった。
 そこで下位の者を褒め、意欲の底上げを考え、「上位入賞者以外で、対前年同月比10%以上の売上高伸び率の者」上位3人に、「登はん賞」を授与することにした。
 登はんと命名したのは、絶壁をよじ上る“登はん”にちなんだ。
 こうすれば、実額ではなく伸び率を対象としたから、成績低迷者にもチャンスは広がる。むしろ、10%もの伸び率は、もともと実額が低いのだから、成績低迷者に有利な制度だった。

●褒め方次第で、下位者も頂上目指す
 この制度は、当初の目論見通り、慢性的な成績低迷者も入賞した。
 この制度を考えた根底には、「人は褒められて、嬉しくない人間はいない」ということだった。「表彰なんか・・」と、褒められることを軽蔑する人もいるが、心底では、“認められたい”、“褒められたい”のである。
 万年低迷組にいた営業マンの一人は、この表彰を契機にして、じりじりと実額でも中位から上位に食い込み、3年後には、成績上位ベスト3に入るまでになった。
 意欲沈滞した人でも適時適切に褒めれば、成績下位者でも、成績上位者にまで登はんさせることは、決してむずかしいことではない。
11年03月01日 | Category: profile
Posted by: mao
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