~他社の失敗を嘲笑うな成功を深考せよ~
●成功という美酒を飲める人
 他社の成功に学ぶと同時に、他社の失敗にも反面教師として学ぶ必要がある。
 ユニ・チャームという会社がある。創業者は高原慶一郎さんである。
 この高原さんの考え方に教えられることは、彼の次のような言葉である。
 「経営に失敗し破綻する会社の例に出合う。しかし、そういう経営者を私は笑えない。自分だっていつ同じ立場に立たないとは限らないからだ。だから、そういう経営者には、むしろ反面教師として勉強させていただいている・・」
 経営者としての深い哲学という気がする。相当の苦労経験から生まれた珠玉の教訓です。
 その点、過去に例のない新発見や開発あるいは考案には、学ぶべき他人の成功や失敗に恵まれない。だから、自分自身の失敗を踏み台にするしかない。
 本田宗一郎さんも一時はさんざん失敗を重ね、ついに食うために闇酒のどぶろくまで作った時期もある。だから、本田さんは、「もし、俺が成功者というのなら、99の失敗で残った1が成功したんだ」というのが口癖でした。最後にひとつ教訓をご紹介します。
   ●程度の低い愚者は他人の成功にも学ばず、他人の失敗を嘲笑う。
   ●愚者の多くは他人の体験に学ばず、自分の体験のみに固執する。
   ●賢者は他人の成功にも学び、他人の失敗を反面教師にする