最高裁は、有期労働契約を反復更新してあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、あるいは期間満了後も使用者が雇用を継続すべきものと期待することに合理性が認められる場合には、解雇権濫用法理の類推適用があるとしている。



 このことは、登録型派遣の場合にも同様であると考えられる。



 ただ、派遣法の常用代替防止の趣旨からは、派遣労働者の長期間の継続雇用への期待は合理性がなく、派遣元と派遣先との派遣契約が期間満了により終了した事情が、当該雇用契約が終了してもやむを得ない合理的な理由に当たるとして、雇止めを有効とした下級審判決がある。








08年03月03日 | Category: 労働関係
Posted by: marutahoumuj
 この点に関して、最二小平成12年3月9日判決は、三菱重工業長崎造船所事件において、次のように判示しました。



 労働時間とは、労働契約や就業規則の定め如何によるのではなく、「使用者の指揮命令下におかれている時間」であるとした上で、本件の着替えの時間は、作業に当たり使用者から作業着・保護具等の装着を義務付けられ、事業場内で着替えるものであって使用者の指揮命令下に置かれたものであることから、労働時間に当たるとして当該時間分をカットした賃金の支払いを命じる原判決を支持しました。



 しかし、入浴時間分の賃金の支払いを求めた別訴については、入浴は義務付けられておらず、労働時間には当たらないとしました。

08年02月28日 | Category: 労働関係
Posted by: marutahoumuj
 皆さん、ご存知だと思うのですが、平成18年4月1日に施行された改正高年齢者雇用安定法では、年金支給開始年齢の引き上げに合わせ、平成25年4月1日からは65歳までの雇用確保措置が義務付けられます。



 平成22年3月31日までは63歳、平成22年4月1日〜平成25年3月31日までは64歳となっています。



 具体的な雇用確保措置としては、(1)定年制の廃止、(2)定年年齢の引き上げ、(3)継続雇用制度の導入があげられますが、(3)の継続雇用制度の導入が一般的と思われます。



 継続雇用制度は、現に雇用している60歳以上の高年齢者が希望するときには、その定年後も引き続き雇用する制度です。これには、定年に達したことにより一旦雇用契約を終了させた後に再び雇用契約を締結する再雇用制度と、定年に達したとき、従前の雇用契約を終了させることなく継続する勤務延長制度とがあります。



 希望者全員が継続雇用されれば問題は生じませんが、対象者を選定するときには、労働者にとって予見可能な具体性と客観性を持った基準を定めなければなりません。





08年02月27日 | Category: 労働関係
Posted by: marutahoumuj
 就業規則は、合理的なものでなければなりませんが、論理的整合性も必要です。



 ある会社では、休職期間満了を、一方では「退職」とし、他の条項では「解雇」としていたため、退職届の有無や退職理由などで、使用者と労働者が揉めるハメになりました。



 また、退職金と退職慰労金とを別々に定め、支給対象者や支給率、支給要件などが異なっていたため、両方を支給する必要があるのか使用者と労働者の見解が異なりました。



 使用者と労働者の紛争を未然に防止することに、就業規則の一つの大きな意義があるのに、逆に紛争の火種になってしまうことがありますから、その作成には細心の注意が必要です。






08年02月26日 | Category: 労働関係
Posted by: marutahoumuj
08年02月25日

派遣労働者増える

 厚生労働省によれば、平成18年度の派遣労働者数は、約321万人で、前年に比べ26,1%増加したという。



 平成16年3月の改正労働者派遣法の施行により、製造業務への派遣が解禁されたことも影響しているものとみられる。



 企業の経営戦略や業務の効率化のために、派遣など外部人材を活用するわけであるが、派遣の場合、派遣元事業者と派遣労働者は雇用関係にありながら、派遣先と派遣労働者とは指揮命令関係に立つという構図になるため、労働者派遣法により規制がなされているのである。



 請負契約の場合、労働者派遣法などの適用を受けないため、実態は派遣でありながら、請負契約などの形式をとる「偽装請負」がはびこる訳である。



 派遣労働者たらんとする者は、気を付けなければなりません。






08年02月25日 | Category: 労働関係
Posted by: marutahoumuj
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