●上司と部下の信頼関係  良好な職場感情のために

 最近、私が良く感じていることがあります。それは企業の現場で「労務管理力」が劣化しているのではないか?ということです。
これは労使トラブルが発生した場合だけでなく、人事制度を設計するときなどにも良く感じることです。普通ならすっと行くはずのものが、何故かギクシャクする。どうも、経営者と従業員の関係がしっくりいっていないのではないか・・・・。もっと言えば、信頼関係が欠如しているのではないか・・・・。そんな風に思える場面によく遭遇するのです。

 この問題はなかなか根が深いものがあり、一つの特効薬で解決するほど簡単なものではありません。長い経緯の中で醸成された個々人との人間関係及びその広がりである職場感情が形成されてしまっているからです。改善してゆくためのテクニカルな対応方法はいくらでもあるのですが、結局最後に行きつくのは経営者の人間力にかかっていると思うのです。こういうと身も蓋もないでしょうか?私はこのように考えています。結局、経営者の器次第であると。
 従業員を一人の人間として接する人間観もその一つだと思うのです。
 少なくとも私も小さな小さな経営者の一人として、次のような人間観でいたいと考えています。

 1.ヒトは皆それなりに力を持っている。

 人はそれぞれが、それなりの能力を持っている。出来ないのはやり方が悪いか考え方が悪いからで、人格の問題ではない。

 2.ヒトは誰でもいい仕事がしたいと願っている。
 
 仕事をつまらないものにしたいと考えるヒトはそういない。やるからには充実した職業生活を送りたい。

 3.ヒトは認められたがっている。

 ヒトには承認欲求がある。仲間から、上司から、お客様から、社会から、認められたいという実感を欲している。

 4.ヒトは誇りを持ちたがっている。

 ヒトは自分や自分の会社に誇りを持ちたいと願っている。誇りを持つとそう間違った道へは進まない。


 こういった人間に対する思いがないと、結局、どんな施策を打っても、効果は薄い。逆にこういう思いでいると自ずと言葉や表情、態度に現れ、良好な信頼関係の構築と職場感情の醸成に資すると考えています。
  私のこの思い、人の上の立つ皆様は、共感していただけるでしょうか?言うは易しで、私自身が自問自答を繰り返しています。ご意見があればお聞かせ願いたいです。


文責 特定社会保険労務士 西村 聡
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