◆年金保険料未納企業の従業員救済へ議員立法提出(10月12日)

与党は、企業が年金保険料を国に納付していなかった場合でも従業員に年金を支給するようにする特例法案を、議員立法で国会に提出する方針を示した。企業に保険料納付の2年の時効を適用せずに過去の未納分の任意納付を認め、企業が倒産している場合等は未納分を税金で補填するなどといった内容で、11月上旬にも法案提出の見込み。

◆国民年金基金の加入資格拡大へ 厚労相検討(10月10日)
舛添厚生労働大臣は、現在は60歳未満となっている国民年金基金の加入資格について、60〜64歳の国民年金の任意加入者にも拡大するよう検討することを明らかにした。また、掛金の最低額も現在の月額9,000円(20歳男性)から6,000円程度に引き下げることも併せて検討する。基金の加入者を増やすことにより年金受給額の水準を上げることがねらい。

◆“宙に浮いた年金” 5000万件の納付保険料は2兆強(10月9日)

社会保険庁は「年金記録漏れ問題」に関して、過去に納付された5000万件分の保険料の総額が2兆3,500億円程度に上るとの試算結果を明らかにした。150件のサンプルの平均額をもとに算出されたもので、「実態を正確に把握したものではない」と同庁は説明している。

◆低所得者に手厚い「国民年金加算制度」創設へ(10月8日)

政府・与党は、年金の最低保障機能を強化するため、低所得者層に対する「国民年金加算制度」の創設を検討していることを明らかにした。原案では年収160万円未満の単身世帯などを対象に国民年金の支給額を約25%引き上げるとしており、2009年度までに制度の運用開始を目指す。財源は税金でまかなう方針で、約9,000億円程度と試算されている。

◆確定拠出年金運用漏れ8万人のうち2万人が連絡とれず(10月7日)

確定拠出年金で、運用されないまま塩漬けにされている約8万人分(総額211億円)の年金資産のうち約2万人分について、加入者の連絡先が不明となっていることが明らかになった。転職時に必要な手続きをとらないまま引っ越し等で住所不明となるケースが多いとみられる。厚生労働省では、企業の説明や本人の理解の不十分さが主な原因として、資産の移行手続の周知を企業などに徹底するよう求める。

◆国民年金保険料 来年3月分からカード納付開始(10月5日)

厚生労働省は、国民年金保険料をクレジットカードでも納付できるように国民年金法の政令を改正することを明らかにした。納付方法の選択肢を増やして保険料を支払いやすくすることがねらいで、国の公金納付でクレジットカードの利用が認められるのは初めて。社会保険事務所での申込み受付けは2008年2月以降で、実際の納付は同年3月分の保険料からとなる見通し。

◆中小企業退職金共済制度で49万人分365億円未払い(10月4日)

中小企業退職金共済制度が1959−2006年度に支払うべき退職金のうち、計49万2,251人分、約365億9,000万円の退職金が未払いとなっていることが明らかになった。同制度は、企業の掛金と国からの助成金を勤労者退職金共済機構が運用して退職者の請求に基づき退職金を支払う仕組み。未払い分の大半は本人が請求をし忘れたために発生したものとみられる。未払い分については5年で時効となるが、同機構は時効になった分の支払いにも応じる方針で、問合せ窓口を設けて対象者に申請を呼びかける。

◆時効による徴収不能の保険料は1兆円弱(10月3日)

時効により徴収不能となった国民年金の保険料が、2006年度は9,864億円にのぼることが、社会保険庁の調査でわかった。徴収できた保険料(1兆9,038億円)の約半分に相当する額が取立て不能になったということで、未納問題の深刻さが浮き彫りとなった。未納が与える年金財政への影響は少ないとみられるが、今後、無年金で生活保護に頼る人が増えることが懸念されている。