20年4月施行ですが、従来はあくまでも「パート」という固定的な概念での改善措置でありましたが(同時に、実効性がほとんど無かった)、今改正はそのような固定的なイメージの「パート」という存在から出発していません。

改正目的は、店長クラスなど正社員同等の責任ポストを受け持つパートが増えてきましたが、その処遇は「パート扱い」にすぎないため、法的整備をする必要が生じたとされています。労務管理でできるのですが、残念ながら軽快機敏な経営者が少ないものと思われます。したがって、改正パート労働法を遵守すれば、社会保険労務士費用が少なくて済むというもんで‥‥(笑)。

1、「パート」の定義は「通常労働者に比して短い労働時間の者」ですが、従来は「通常労働者」を正社員としていたのに対し、今回からは社会通念上「通常」とされる労働者とされました。事業所単位で(※会社単位でない)、業務の種類ごとに、個別判定していきます。

2、労働条件の明示
労働基準法の規定に加え、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」の3点につき、文書交付。罰則10万、労働基準法の規定もならプラス30万。
納得して働いてもらうと経営も円滑に。

3、待遇の決定についての説明義務
これは求められた場合ですが、「説明義務」はますます経営者に必修の課題ですので、日頃から訓練を。

4、賃金の決定方法「第9条」
これは努力義務なのですが、従来の意味の努力規定と同じとして、放置すると厄介です。施行後民事損害賠償請求事件に大きな影響力をもつことになると考えられるからです。
通常労働者と比べて、
・職務内容
・人事制度の適用(異動等)
・契約期間(期間の定めなし、またはそのようにみなされる)
など分析した結果、通常労働者と同等であれば、通常労働者と同一の賃金決定方法によるよう努力すること。つまり、評価基準表など同じものを使うということ。


(まとめ)
「同一価値労働同一賃金」の流れを促進するものです。また身分格差是正を促進するものです。案外、経営者は乗り気、「正社員」は不安という状態かもしれません。