コスプレ強要は不当/カネボウ子会社に賠償命令

・同社や当時の上司らに計330万円の損害賠償を求めた訴訟

・大分地裁(一藤哲志裁判官)は21日までに、同社と上司に計22万円の支払いを命じた。

・女性は2009年7月、8月の販売目標に達しなかった。10月の大分支社での研修会で、他の3人と一緒に箱を選ばされ、中に入っていたウサギ耳のカチューシャなどのコスチュームを長時間着用。11月の研修会で、写真がスライド上映された。

・一藤裁判官は「任意であっても拒否するのは非常に困難だった。正当な職務行為であるといえず、心理的負担を過度に負わせた」と指摘した。
原告代理人によると、原告の女性は「精神的苦痛に対する評価が低すぎる」として、控訴する意向だという。


事件から四年がけなので、長引いていることがわかる。
パワハラ、職場内いじめ(同僚、上司、会社すべて含む)については、司法判断がまだ確立されているとはいえない。損害賠償額は低額にとどまっている。行政訴訟の労災絡みのものは少しずつ固まりつつある傾向だ。
「正当な職務行為であるといえず」というところなのだが、日本の会社社内における出来事として、一笑できるどころか役員会議での真剣な検討課題にもなりそうな状態でもある。会社とは何か、会社員とは何か、社内ルールとは何か、労使の信頼関係とは何かとか、秩序というものが意識されなくなり、今世間でお騒がせの中高生並みの「学園」状態である。下に降りたものか、上が影響を受けているのかは知らず。当人たちにとっては「職務行為」として考えられているものである。

昭和の終わり頃は「日本株式会社」色が強く、会社の人事等は行政機関等を向いて動いていたもので、またアメリカの経営は株主の力が強いため短期計画が求められるので結局経営の企画が些少なものに限定される弱点があるなど普通の会社員でも批評していたものだが、事情は省くが、現在の日本の会社は極めて刹那的な経営方針に変っている。
(なお、これは「日本株式会社」下の負の面を隠す意図で書くものではない。)