国税庁の統計資料によれば、日本企業(法人)の96%は同族会社となっています。

この同族会社とは、一般的には家族経営の会社といった方が理解しやすいと思います。
すなわち、日本の会社の殆どは家族経営です。皆様の会社も家族経営の会社やそれに近い会社の方が、ほとんどではないでしょか。

西武鉄道やパロマの事件においても、家族経営でることが問題の根底にあるという記事も見られます。
家族経営は、前近代的で、閉鎖的、会社を私物化して問題が多いというのが世の中の評価であるように思います。

本当でしょうか。家族経営でもよい会社はあるし、非家族経営でも不正をする会社はあるはずです。

富士総合研究所理事である倉科敏材著「ファミリー企業の経営学」(東洋経済社)によれば、ファミリー企業はそうでない企業と比較して、高い業績を上げ、倒産率も低く、あのバブルの絶頂期と比較して株価を上昇させている上位の企業の殆どが家族経営であると書かれています。

これは世界的にも同じことが言え、日本以外の欧米やアジア企業の中で成功している企業に家族経営の企業が多数あります。ニューヨタイムズ(新聞社)、ケログ(コンフレーク)、リーバイストラウス(衣料品メーカー)、カーギル(世界最大の穀物会社)、BMW(自動車メーカー)、フィアット(自動車メーカー)など、まだまだ多数あります。

これらの企業に共通するのは、経済環境に対応する能力が高く、明確なビジョンをもち、長期的な視野に立った経営が行われています。このような家族経営の強みを活かした経営を確立すれば、不況の時に強く、長期的に業績を上げることの会社になれるのではないでしょうか。