常備野菜として誰でも知ってるタマネギですが、実は、生活習慣病やストレスに
悩む現代人にとって、最適の「薬」ともなる食材です。

古く歴史を訪ねると、古代エジプトではピラミッドの建造に従事していた労働者の
貴重なスタミナ源だったという記録が残っています。
20世紀に入り、化学が進歩してからは、化学薬剤が医療の主役になりましたが、
それまでの間、インドやヨーロッパでは、タマネギはおよそ知られている病気の
大半に有効とされてきました。
漢方でも用いられ、胸のつかえをとり、咳や痰(たん)をしずめ、尿の出をよくする効能があります。

最近では、タマネギには従来考えられていた以上に多彩な健康に役立つ作用があり、
しかもその効能は一般の民間薬のレベルをはるかに超えるものであることが分かりました。
次のような主要な効能が、疫学的調査や各種の試験で確認されています。

○ガン(特に胃癌、食道癌、大腸癌など消化器系ガンの予防)
アメリカ国立ガン研究所のデザイナーフーズ計画でも抗ガン食品としてとりあげていますが、
欧米や中国などの研究機関が行った多くの疫学調査により、消化器系ガンに対して
顕著な予防効果のあることが報告されています

○心臓病・脳卒中(高脂血症・血栓・高血圧・動脈硬化の予防・改善)
心臓病や脳卒中の危険因子である高脂血症(高コレステロール、高中性脂肪や高血圧に対する
顕著な予防・改善効果があります。
中でも、高脂血症に関しては、約80パーセントの有効性が報告されています

○糖尿病(高血糖・合併症の予防・改善)
タマネギの血糖降下作用に関しては、多くの報告がなされていますが、最近の日本での臨床試験によれば約80パーセントの患者に、血糖値の降下、ヘモグロビンA1cの低下が認められました。

○気管支ぜんそくの発作抑制
タマネギに抗ぜんそく作用があることを証明したのは、ドイツのルドウィシュ・マキシミリアンズ大学です。動物実験でタマネギ抽出物が気管支ぜんそくの誘発物質の気管支収縮作用を抑制することが確認され、さらにヒトでも気管支ぜんそく誘発物質の生成を抑制することが分かりました。また、実際にヒトにハウスダストやハムスターの毛の抽出物を吸入させる臨床実験でもタマネギのぜんそく発作の抑制効果が確認されています。

○骨粗鬆症(骨吸収抑制、骨量の改善)
1999年にスイスのベルン大学のミュールバウェル氏らは動物実験により、骨粗鬆症には肉、卵、スキムミルクなどの動物性食品よりも野菜とくにタマネギが有効であったと報告していますが、日本でも、斉藤嘉美農学博士の研究により、骨粗鬆症の患者にタマネギ(濃縮乾燥粒)を投与したところ、骨量 、骨吸収に顕著な改善効果がみられたことが報告されています。

○解毒・肝機能の強化 ・視力強化 ・抗炎症 ・殺菌 ・抗ウイルス
タマネギを常食すると薬物中毒や慢性肝炎、白内障、 疲れ目、かすみ目などが改善されるのはグルタチオンによるものが明らかにされています。 タマネギ抽出物に炎症を抑える作用のあることも報告されていますが、気管支ぜんそくの抑制効果もこの抗炎症作用によるものと考えられます。タマネギ抽出物には殺菌作用、抗ウィルス作用もあります。その作用はニンニク成分ほど強くないので、多食しても腸内の有用菌に大きな影響を与えることはありません。14世紀の中頃、ヨーロッパでペストが大流行したとき、タマネギを商っている家では患者が出なかったという話がありますが、これもタマネギの殺菌作用によるものと思われますね。

○老化防止・皮膚病・便秘の改善・慢性疲労や筋肉疲労の回復・精神不安定や不眠症に対する神経鎮静作用
老化の原因の1つとしてたんぱく質や脂質の糖化があげられていますが、タマネギには血糖をコントロールすることにより糖化を防ぐ作用があります。また、糖化の結果 生じる老化物質(エイジ)の生成を防ぐ作用もあると考えられています。老化のもう1つの原因として活性酸素による細胞内たんぱくやDNA障害があげられていますが、タマネギには活性酸素を消去する顕著な作用もあります。特有の辛みと切ったときに目にしみる刺激成分はねぎ類に共通する硫化アリルというものですが、玉ねぎの硫化アリルには、血液の凝固を抑制し、血液をサラサラにする働きがあるので、血栓や動脈硬化の予防になるわけですが、硫化アリルは、ビタミンB1の吸収を高め、新陳代謝を盛んにする成分です。発汗、解熱、緩下(かんげ)といった作用もありますので、疲れているときや風邪のときによいとされるのは、そのためです。また、慢性疲労や筋肉疲労など疲れにもよく効き、毎日玉ねぎを食べると、簡単にはバテない体力が身につきます。イギリス、インドなどの調査では、玉ねぎは善玉のHDLコレステロールを増やし、心臓の機能を強化するという報告も出されています。タマネギの栄養的な特徴としては糖質にオリゴ糖が多いこと、たんぱく質はすべての必須アミノ酸を含み、 特に硫黄を含むアミノ酸が多いことなどがあげられます。オリゴ糖は腸内の善玉 菌(ビフィズス菌など)の 働きを助け、硫黄含むアミノ酸は動脈硬化の予防に役立つとされています。また、玉ねぎに含まれるイオウ化合物には神経鎮静作用があり、ストレス解消や不安神経症、不眠症などにも効果があることが分かっています。

身近でいつでも在るのに、これだけすごいタマネギさん。
さふいふ人に、僕もなりたい。(自爆)

さて、これだけすごい薬効を発揮するのに、どういう調理が最もタマネギさんを活躍させるのでしょう?

実は、その効果は生で使ったときにもっとも発揮され、しかも切ってから1時間ほどおいたほうが効力が高まります。火にかけると酵素が壊されますが、水にさらしても硫化アリルは流れ出てしまうのですよ。^^;苦味や辛みは、酢やレモンなどを上手に使って、やわらげるといいですね。^^薄くスライスしたタマネギをポリ袋に入れて口を縛り、冷蔵庫で寝かしておいてもいいですよ。^^v

ところで、雨や湿気がが比較的多い季節に多発する一種の温熱病に湿による温病があります。初期、発熱しますがそれほどでもなく、頭痛、悪寒や疼痛があり、身は重く、風邪と思ってしまいます。心下部(みぞおちの部分)がつかえ、食欲がなく、口は渇かず、顔色は淡黄、舌苔を診ると白いものです。発症は緩慢なのですが、病勢はしつこくまとわりつき、長引き、風邪薬を飲んでも治りません。。誤って解熱剤や栄養ドリンクを飲むと、余計にひどくなり長引くことになります。^^;

こうしたときに、漢方薬としてタマネギを用いると、効を奏します。

普段は捨ててるタマネギの茶皮。これが、最も威力を発揮するのですよ。^^だいたい全ての果実や野菜は、皮のほうに栄養価や特効成分が多く含まれてるものですね。

玉ねぎの薄皮の効果は「平肝作用」「去湿作用」「清熱解毒作用」の3つあります。「平肝作用」は気をめぐらせる働きがあります。カッとなることを上気といって、のぼせて血圧が上がり、脳卒中の原因にもなりますが、このほてりや高血圧を下げる作用が、ウエルチンというタマネギの皮の成分に含まれています。そのため、薄皮のほうが効果的なのです。「去湿作用」は体内の水のめぐりをよくして、痰を取る働きがあり、むくみや、重だるい症状の緩和が期待できます。むくみのある人や、身体が重だるく感じる人は、ぜひともお勧めしたいものです。「清熱解毒作用」は体内の熱を冷ます働きで、顔が赤くなったり、のどが渇いたり、体が熱く感じる場合に効果があります。

では、その優れもの、タマネギの薄皮茶を作ってみましょう。玉ねぎを5〜6個用意して下さい。先ず、茶色の薄皮部を取り、水洗いします。鍋に1.5〜1.8リットルの水入れて、薄皮を入れましょう。強火で煎じ、沸騰したら中火で5分ほど煮ます。火を止め、冷まして、茶こしで薄皮をこし、密閉容器で冷蔵庫に保存します。

温病に罹ったら、少しずつ3日ほどで飲みきると良いのですが、電子レンジで人肌に温めると更によろしい。浮腫みや身体の重だるさ、疲労回復など湿の体質改善に用いるなら、お茶代わりに少しずつ飲めば良いです。

梅雨から夏の残暑まで、不快指数高いこの時期、冷蔵庫には常備したいものですね。生活習慣病の予防と改善、美容とダイエットにも、むちゃくちゃ効果的ですよ。しかも、あなた、タダ同然。(笑)

胃にダメージがあって、苦くまずく感じるときには、私は後口にハトムギ・麦茶を飲んでます。^^v