住宅ローンについては、選び方次第で何百万円も変わってくるので、正しい知識をみなさんにもってもらいたいのですが、最近おかしな住宅ローンセミナーの広告を見ます。

主催者は工務店であるので、あきらかに建築見込み客を集めるのが目的です。

別にそれ自体を否定しないのですが、広告の文句が過剰広告だったり、だましだったりするとまじめな住宅ローンセミナーまで信頼を失うのでやめていただきたいと思います。

きちんとした内容で勝負して欲しいです。

さて、下記はある住宅ローンセミナーの広告文句です。

「金利1%の差で750万円!」

具体的に数字を挙げていますので、その根拠が必要です。確かに750万円もの差になることはありますが、それは多くの方にいえる話ではありません。レアケースのみです。

私なりにこの広告の根拠を推理してみました。

借入金額が3100万円で、返済期間が35年の全期間固定金利の元利金等返済ですと、金利3%の場合と金利4%の場合での総支払利息額がだいたい750万円になります。

確かに3100万円という借入金額は高すぎるわけではないですし、35年という期間も普通です。

しかし、金利1%の差になるというケースはほとんどありません。ここに過剰広告があります。

フラット35の金利で見てみると、平成20年6月の金利で、安いところは3.05%くらい、一般的な銀行で高いところで3.5%くらいです。

つまり金利差は金融機関が違っても、0.5%程度であり、金利差が1%ということはめったにありません。
しかも金利が安いところは融資手数料が高いケースもあります。

金利差が同じ条件で1%以上開くとしたら、あまり一般的に利用しないノンバンクなどと比べている場合です。

あとは、自営業など特殊なケースです。

特殊なケースでも確かに金利差1%にはなるかもしれませんので過剰広告とはいえないのかもしれませんが、一般サラリーマンが参加したら「インチキだ。」と思われても仕方ありません。

一般的なサラリーマンが借りる住宅ローン金利で1%以上の差が開くとしたら、固定金利の期間が違う場合があります。

35年固定だと3%だが、5年固定だと2%といったケースです。

これは論外です。35年間ずっと金利が上がらないという保証をしてくれるなら別ですが、条件が違う住宅ローンを比べて1%の金利差というのはひどすぎます。

さすがにこれは無いと信じたいですが・・・。

住宅ローンセミナーを開催するのはいいですが、
過剰広告はやめていただきたいものです。