税理士は他の士業(医師や弁護士など)と違い、事務所スタッフ等の無資格者に業務の一部を遂行させることが可能であります。それ故に気を緩めると問題発生します。
 私どもの事務所でも二件問題が生じました。昨年は決算対策検討会で経営幹部に押しきられ、今年は経営者の個人的事情に同情して、税法の限度を逸脱してしまいました。所長として油断そのものとスタッフ育成の重要性を再確認しています。
 そんな時、TKC全国会機関紙3月号「提言」に寄せられた甲南大学会計大学院河崎院長の「問われる税理士業務の品質保証と品質管理」との一文を救われる思いで読ませて頂きました。要旨は以下の通りでした。


(公益への奉仕とは)

 昨今の「偽装事件」の波は、税理士業務における品質保証・品質管理の重要性を再確認させることとなった。税理士の本質的課題は「公益への奉仕」であり、その業務品質は第三者からの影響からの「独立性」、自ら判断を下し決定する「自己責任」、関与先の利益を保護し法律の規定を遵守する「誠実性」、職務上の秘密を厳守する「守秘義務」の四つの要件で担保され、事務所の自己規律の体制が求められる。

(関与先との信頼関係推進)

 「関与先指向の品質保証・品質管理」の要点を、税理士業務のプロセスで示すと、
(1)戦略プロセスでは、
 「目標設定」で方向付け、「関与先サービス政策」を戦略的に設計し、「関与先拡大政策」ではサービス提供のターゲットを絞り、「報酬政策」では透明性を高めること。
(2)処理プロセスでは、
 依頼内容に係る「事実関係」を明確に把握・検討し、「依頼業務の引受け」に係る全般的リスクを評価し、その後の具体的な業務処理では「履行期間管理ノートの作成」・「作業手順の標準化」を求められる。
(3)支援プロセスでは、
 品質保証の構造的問題としての「人事計画」・「物的設備計画」、また、内外部における「コミュニケーション」の円滑化を図ること。
(4)監視プロセスでは、
 税理士業務における品質保証・品質管理の「検証」にスタッフを組み込むことにより、業務品質の重要性を認識し、効率的な作業プロセスと継続的な改善プロセスが達成されれば、生産性と収益性の向上、関与先との信頼関係が促進される。


(担雪埋井の意味するもの)

 飯塚毅先生はスタッフ育成で大事なことは「雪で井戸を埋める如く、絶えず行われなければならず、終わりが無いと知ること」と話されていました。今、問題に直面し、「心」を鍛え、潜在意識までに会計プロフェッションとしての「厳しい掟の遵守」を徹底させることに終わりがないことを反省し知りました。


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