宿坊の住職が門前の再開発問題があった時に「善光寺は霊場であるから、門前がにぎわうことより、遠方から本堂を見上げることが、祈りの場としてのあるべき姿だ」と語っていました。


(善光寺という霊場に近づく仕掛け)

 日常生活から、霊場善光寺に参拝するには、あの世(仏や神、死後の世界)とこの世の接点となる場所を通り、雑念を払い落とし、気持ちを整える仕掛けが必要となります。それは掃除・朝礼・始業点検などで、個人生活の堕落性を振り払い、職業人へと気持ちのモードを切り替えることと同じであります。その場所を通り、これから善光寺如来に接するのだという期待を高める場所が用意されています。


(あの世との接点 七つの結界(けっかい))

 あの世とこの世を結ぶ特殊な機能を持つ場所として、善光寺ではその周りに、七つの橋・井戸・清水・塚・小路を設けて、あの世とのつながりを意識しながら霊場としての神聖さを高める仕掛けを用意しております。(出典:善光寺の不思議と伝説 笹本正治著)

・七つ橋 花相橋・地獄橋・独寝の橋・鶴ヶ橋・駒返橋・淀ヶ橋・筋違橋・応田橋・阿弥陀橋
・七つ井 狐井(狐池)・来間井・無方井・有方井・鶴目井・花井・あじゃり井
・七清水 箱清水・一盃清水・濁清水・瓜割清水・柳清水・鳴子清水・夏目清水・傾城清水
・七塚  姫塚・行人塚・刈萱塚・虎ヶ塚・時丸塚・柏崎塚・継信忠信塚・盲塚
・七小路 法然小路・羅漢小路・桜小路・虎小路・上堀小路・下堀小路・花小路・馬小路


(気持ちを整える仕掛け)

 善光寺の七つの結界は、富士登山の一合目の鳥居から十合目の頂上奥の院まで、気持ちの整理をしながらご来光に出会い、何らかの悟りを頂くことと似ています。それは業務の安全繁栄を願い、毎朝、家の仏壇に向かってお経を上げ、氏神様には柏手を打ち、事務所の神棚に一日の業務の安寧を願う、そんなありふれた一日の業務を始める日常に通じるものがあります。


 お読み頂きありがとう御座います。外のジャンルについては http://plaza.rakuten.co.jp/taxoffice をアクセスして下さい。お待ちしております。