~仕事力とは、行動力×思考力+人間関係力だ~
●幹部は「考える力(ロジカルシンキング)」を鍛えよう   その3
(H28.5月号)


今回は4月号の続きです。前回は思考方法を助けるフレームワークをいくつかご紹介しました。特にマーケティングでよく使用されるものをご紹介したのですが、日常の身近な意思決定に使用できるマトリクスをあと二つ、ご紹介します。


1.プロコン表


「○○をすべきか」というような命題を抱いたとき、そのメリットとデメリットを対比して書き出してみるものです。


  プロ(賛成orメリット) Pros|  コン(反対orデメリット)Cons
__________________|_________________
                  |
  ○・・・・・・・・・・・・・  | ×・・・・・・・・・・・・・・・
  ○・・・・・・・・・・・    | ×・・・・・・・・・・・
  ○・・・・・・・・・・・・・・ |
                  |

賛否どちらの項目が多いかではなく、個々の項目に着目して総合的に判断するようにします。



2.意思決定マトリクス


判断基準や選択肢が複数あり、どれに絞り込んで行くかを決めるのに使用します。例えば社員を採用するとして、候補者が3名いる場合、どの人物に絞り込むかを検討する場合は、以下のようなマトリクス(表)にて、意思決定します。



      (横軸の項目は例示、各企業ごとに重視する評価対象項目を入れる)

      住所  履歴書  年齢  時間  靴  適性検査  表情  言葉  勤労意欲  協調性  資格  
____|__________________________________________________ 
Aさん   ○   △    ×   ○   ○   ◎    ◎   ◎    ○     △   ×
____|__________________________________________________   
Bさん   ◎   ○    ○   ×   △   △    ○   ○    ◎     ○   ○
____|__________________________________________________   
Cさん   ×   ◎    △   ◎   ◎   ○    ○   ○    ○     ○   ○
    |     
             (◎○×△ではなく、点数化しても良い)



このように、日常よく使用するフレームワークは上記のようなマトリクスです。マトリクスとは、要するに縦横四角囲みの表にしてみるものです。また、マトリクスと共に、使い易いのがロジックツリーです。前回もご紹介しましたが、このロジックツリーを使って、「残業を減らすためにはどうすれば良いか?」の命題に対して、考えて行きましょう。


                              |----不要な仕事の洗出し
                     |---仕事自体の削減-----|----受注を控える  
                     |         
           |---仕事量の問題---|---仕事を振る---------|----他人に振る
           |                   |----外注する
           |                   |----増員する
|
残業を減らすには?----|
           |                    |-----無駄な休憩削減 ターーゲットを絞って
           |         |---仕事以外の時間削減-----|-----会議の削減     →更に具体的対策へ
| |
           |---生産性の問題---|
| |
           |         |---仕事自体の生産性UP---|-----個人のスキルUP
           |                     |-----自動化・IT可
           |                     |-----最新設備の導入
|
           |---仕組みの問題---|---重複作業の削減--------指示書を統一する
    | |
           |         |          |-----責任者を決める
           |         |---マネジメント ----|-----事前許可制を取る
|
|
           |---風土の問題-----|---経営者の意識-----|-----経営者が繰返し注意
| |-----長時間労働を評価しない
|
                     |---社員の意識-------|-----19時までに全員帰社
  |-----残業代で稼がない
 


頭の中でなんとなく考えるだけでなく、図や表に書き出してみることが思考を纏めるポイントになります。箇条書きでも構いません。まず、目の前で紙に書き出してみることが大切です。

(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)

小規模企業の賃金制度、管理職研修を得意としています。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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