突然ですが、皆さん「単利」と「複利」の違いはご存知ですか?
基本的なことなので皆さんご存じだとおもうのですが、今回は実際の計算式を使って視覚的に訴えたいと思います。一般的に利回りを計算する場合、『単利』と『複利』の2つの計算方法があり、金融商品の利回り計算の際に単利・複利それぞれのケースで計算してみたのですが、改めて複利の威力を実感しました。
いくつか例をあげると、銀行から融資を受ける場合や消費者金融からの借り入れは複利で計算されています。また、よく社債や国債のパンフレットに『年率○○%!!』と記載されていますが、あれらは基本的に単利です。国際的な債券市場では複利計算が常識となっていますが、 日本ではまだまだ単利の方が馴染み深いようですね☆

この単利計算と複利計算、短期的にはあまり変わらない結果になりますが長期では大きな違いになります。2つの計算方法の紹介と合わせて、その威力の違いを確認してみましょう。
<元本1000万円 年率4% 期間10年>
上のような条件であなたが友人にお金を貸してあげたとしましょう。
10年間であなたが受取る利子は、
・単利の場合 1000万円×0.04=40万円/年  4万×10=400万円
                        合計 400万円
・複利の場合 1000万円×1.04×1.04×・・(1.04を10回掛け算する)
               =1480万   合計 480万円
  
このように利率の設定を変えるだけで、このケースでは受取る利子の額に
80万円もの差が生じます。  
ではなぜ、このような大きな差が生じるのかという数字的なメカニズムを分析してみましょう☆★

単利であれば、毎年発生する利子が40万円のままであるのに対し、複利では、1年目40万円 → 2年目41.6万円 → 10年目約57万円 というように年を追うごとに利子が増加するのです。
利子が増加する理由は『複利では元本だけでなく利子に対しても利子が発生するから』です。『なんのこっちゃ?』と思われた方もいるかも知れませんね。例えば1年目に発生した利子40万円に対して2年目には1年目の利子である40万円の4%、1.6万円が追加的に利子として発生するということです★

まさに雪だるま式・・・高利の借金の恐ろしさはここにあるのです(笑)なんとなく『20%で10万円借りても、利子は年間で2万円やろ? 
大丈夫大丈夫★』と思っていても、3、4年も放っておけば元本は軽く2倍を超えています! 

各種金融商品が複利で設定されている場合は表面上の数字で判断せずに、実際の推移を計算するべきでしょう。また、代表的な複利の金融商品には定額貯金や公社債投資信託などがあります。

最後に1つ裏技をご紹介しましょう★ 誰にでもできる簡単なものです。
『72÷年利率=元本が2倍になるまでの期間』という公式があります。

例えば、年率4%の債券を購入した場合、(72÷4=)18年後に元本が2倍になります。この法則は『72の法則』と呼ばれ 少々の誤差はあるもののたいていの金融商品に応用できる法則ですので、覚えておくと何かと便利です☆

☆ちなみに、都銀の大口10年定期預金〔年利率0.89%〕であれば・・・
(72÷0.89=)80.89年後には元本が2倍になりますよ