《尖閣諸島(中国名:釣魚島)で中国漁船と日本の海上保安庁巡視船が衝突した場面の動画がインターネット上に流出したのを受け、6日、東京で約2000人が参加する反中国デモが行われた。右翼団体の「頑張れ日本! 全国行動委員会」が尖閣問題後に行った3回目の反中国デモで、動画流出の影響か、これまでの反中国デモで参加者が最も多かった。

 デモ隊は日比谷公園で集会を開いた後、反中国のシュプレヒコールを上げ、3キロほどの距離を行進した。同団体は13日と14日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が行われる横浜市内でも大規模なデモを実施する予定だ。同会議には中国の胡錦濤国家主席が出席する。》

http://www.chosunonline.com/news/20101108000016

国会を中心に、あれは公開すべきだった、それにつけて犯人探しという国の情報管理問題に観点を合わせてしまうとは要務の役割を全うするものではなく云々という政府批判でごった返している。
どういう事情が働いているのかがわからないので何も判断できないが、国会議員の知らされた情報よりも一般に開放された情報の方が多かったのであるから、素人判断の方が議員よりも正しい可能性もある。
こうしたトップ周辺層のごたごたは、韓国史劇によく表現されている。「正史」とかにこだわる習わしが固く、やはりそこが日本のシナリオとの違いになるのだろう。これは私も、よくもわるくも貢献しているようだが、小説と歴史の違いの認識ということになる。

さて、「軟弱外交」という言葉が復活したが、日比谷焼き討ちまではいかないだろうと思っていたら、日比谷でデモが行われていたということである。日本のメディアでは扱われないようなので、こういう点が興味深い。

アジア諸国間では経済活動等が増え、当然ながら摩擦も増える。個人間ではとてもいい関係が築けているものであるが、国家間では火種が多く残されているため、なかなかすっきりしない。また、一国民からみるとすれば、日本政府が国家観問題に対しては新たなスタンスを見つけておらず、陳腐であることに気づいてしまう。それに伴い、開放路線であったものが閉鎖路線に向かいつつあることに気づく。
民主政権は、政治主導と主張し官僚撲滅を謳い、ある程度の効果を発揮したものである。ただし、官僚(行政)の後方には国民がおり、今やその国民と民主政権が対立した格好になることもある。今回の情報公開問題はまさにそれに近い。また、日本では近代史教育が殆んどなされておらず、人材も確保できていない。その結果、戦後生まれは殆んど自国の認識が薄い。「正史」にこだわる習わしのあるアジア諸国にあってこれはまずいように見受けられるが、特に気にもしていない。韓国ではこの歴史軽視態度がどうやら不誠実だと考えられているようである。ところが日本の歴史解釈家は、先回りして正しいか正しくないかにこだわってしまうので、それはそうなのだが、その前に、それにそんな一部の人間よりも、国民文化が歴史軽視態度という門前払いに近い態度が駄目なのであると受け止めている。日本の国民は果して「日本人」なのかと‥。無国籍のように生きている国民が多いことは確かだろうし、オタク文化が自然に市民権を得るにはそういう状態でないと‥。
実は戦前(大正期前半)もこんな国の状態なのであったが‥。