現在の住宅計画に対して官民挙げて200年住宅という目標を掲げ
て税制面で優遇措置を図って普及しようとしていますが、建てる側
の住まい手がそのような意識になるのか疑問に思います。

考えの基本はスクラップ&ビルトではなくてストックするという事
ですが、家は耐久消費財などと言われて来ていて、ここで急に方向
転換しなさいと言うのはすこし乱暴なような感じで、まずは都市の
有るべき姿のストックとしての建築を教育してからでないとただ単
に、資源の問題やエネルギーの問題だけで進むとは思われません。

200年住宅と言われて、さて、現在から200年前を遡って考え
ると、その時は江戸時代。江戸時代の住宅が現在住むのに耐えられ
る住宅かと言われると、さてどうでしょう。それでは200年後の
社会を想像できるかと言えば又これも無理な話で、住宅だけで将来
を見通す事は出来なく、やはり200年後の社会の姿が描ければ、
自ずと住宅もそのようにしたいと欲求が出てくると思うのですが
如何でしょう。

それに、経済的な事から見ると、現在総務省統計局から発表されて
いる資料で平成15年の住宅数が53,891,000戸ですので30年で建て
替えるとすると一年間に180万戸弱が建設される事になり、そして、
当時の住宅着工戸数と言えば120万戸/年という数字なので経済的な
平穏時でその数ですから、200年住宅が普及して年々この数字が
小さくなると経済の問題はどうなるのだろうと思います。

少々荒っぽい話に成りましたが、建築を社会的なストックとする為
には何か順序が違うような感じがしています。