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 ある小さな商社がある。商社だから営業部門要因が6割を占める。とはいっても20名ほどだが。営業マンたちは準備が終わった順に、個々に出かけるが、女性社員たちは黙々と仕事をしている。誰がいつ出かけたかも知らない。風のごとく出かけ、風のごとく戻ってくる営業マンたち。どうも組織の一体感が乏しい。営業部門は稼ぎを直接持ち帰る働きバチだ。留守役の女性たちが、「行ってらっしゃい」と声の激励でもしたら、彼らの気持ちやヤル気はどうなのか。
社長に提案した。「朝は、“行ってらっしゃい”と声の見送りをする。夕方帰ってきたら、“お疲れさまでした”と声の出迎え。営業マンたちも、“行ってきます”と元気よく出かけ、“ただいま”といって帰社する」
社長も大賛成。早速実行することにした。実行してもう10年になる。完全定着。
 たまたま朝から訪ねてきた来客が、しみじみと社長に語ったそうである。
「おタクの会社は、活気がありますね。“行ってらっしゃい”といって、女性の皆さんが営業の人たちを送り出していらっしゃいますが、いやあ勉強になりました・・」
こんな簡単な組織活性策を、やっている会社はめったにない。「小事こそ大事なり」
06年09月19日 | Category: profile
Posted by: mao
 A社の会社の全営業所は、去る6月から一斉に会社組織に変わった。東京営業所を皮切りに、福山、大阪、北九州、広島、仙台の6営業所である。新社長はもちろん、いままでの営業所長である。
 サラリーマンにとって、課長や部長という肩書きより、社長という肩書きに、感動に近い喜びを感じるものである。実力を別にした形式的な面だけだが、社長という肩書きには、やはり感動するようだ。
 A社の場合は、営業所長から社長に昇格したあと、彼らと会ってみると、彼らに前向きな変化を多く見ることができた。単なる精神的な喜びにとどまるものではない変化だ。
北九州の新社長は、「小さな会社の経営学」という本を読み、勉強していた。読書嫌いの男が、まるで別人のようにサマ変わりしていた。広島の新社長は、「参考書を教えて欲しい」という。この男の行動も、過去には考えられなかったことだ。
 まだ新会社に移行して短期間だから、業績向上に関して成功とは断定できないが、成功の予兆といえるものは、営業の数字に見ることができる。
全営業所、いや全新会社の売上高が、7月だけという短期間ではあるが、前年同月比で5%も伸びたのである。過去の例年の7月に、こんなに伸びた例はない。
5月から施行された新会社法、大いに活用したらいいと思う。
06年09月04日 | Category: General
Posted by: mao