「事業にはリスクはつきもの」。当たり前に使っている言い回しですが、自社が抱えるリスクをどの程度具体的に認識しているでしょうか。「事業においては、リスクを最小にすべく努めなければならない。だがリスクを避けることにとらわれるならば、結局は、最大にしてかつ最も不合理なリスク、すなわち無為のリスクを負うことになる」(※1)とドラッカーは述べ、リスクを以下4つに分類しています。1.負うべきリスク/その事業をやっている以上避けることができない事故や災害といったリスク(農業での自然災害、運送業での交通事故など) 2.負えるリスク/新製品の開発など失敗してもカバーが可能な
リスク 3.負えないリスク/2タイプあり、1つが自社の能力以上のことに挑むリスク、
もう1つはたとえ成功しても自社に活かせないようなリスク(新商品を開発しても拡
販するための費用がなければ利益には結びつかず、その開発は無駄になってしまうなどのケース) 4.リスクを負わないリスク/経営環境が大きく変化しているときでも無難を求め、やり方を変えようとしないリスク 「リスクの有無を行動の基盤としてはならない。リスクは行動に対する制約にすぎない」(※1)。自社のリスクを確認するために各リスクを書き出してみるのもいいですね。
※1:「創造する経営者」 参考:「現代の経営」、いずれもダイヤモンド社。