住宅会社には、まだ売上歩合制度が残っている。
そのせいか、ユニークな方法で紹介開拓やお礼に生かし、成果を上げている。
そのいくつかを紹介します。

●Aくんの年末状
 人と違うことをやるから、トップ営業マンでおられる。
 営業マンAくんは、人並に年賀状を出さない。そのかわり、「今年もお世話になりました」という年末挨拶状を出すのである。なぜ年賀状は出さないのか。
 ゴチャマゼの年賀状の中に紛れ込み、個性が埋没してしまうからである。
 だからAくんは、「年末状」を印刷する紙から違える。奉書紙という紙を使うのだ。
 筆字で書くときに用いるやつである。(Aくんは、住宅営業マンである)
 もちろん封筒も奉書紙である。
 Aくんは元々、あまり字が上手くはない。だから、筆字は近所の書道塾に通い学んだ。
●断られても訪問を続けたbくん
 やはり住宅の営業マンbくんは、紹介客の獲得で全国一位である。
 彼は、ライバルにとられた客を、特によく訪問するのである。
 訪問されても最初の頃は、「この人は鈍感なのかしら?」と思い、来る度に持って来る ティッシュの箱だけは、ドライに受け取っていたが、やがてこんな感想を漏らすようになった。
 帰宅した夫に話すのである。
 「Z社は契約した途端、営業マンは来ませんよ。ところが、B社のbさんは、奥さんいよいよ上棟ですねと言っては、やって来るのよ。それも手ぶらではなく。私たち注文先を間違えたのかしら。きょうもやって来て、このティッシュをもらったんだけど」
 やがて住宅が完成する。やがてささやかか派手かは別にして、完成披露をする家も出現する。そこでは来客から質問。「どこで建てたのよ」などと。
 「建てたのはZ社だけど、発注先を間違えたみたいなの。誠実なのは、B社なのよ。じつはbさんという人が、契約後も来てくれたけど、Z社は契約した途端にピタリと来なくなり・・」
 この噂が広がり、「来てくれ」という話が広がり、ついに日本一の営業マンになった。
●五万円相当のお礼、のC社
 五万円の現金を、紹介制約のお礼にした会社は知恵がない。
 ところが紹介客に、“五万円相当”のお礼をして効果を出しているところもある。
 品物は三種類。一つは、宝くじを一年間にわたって差し上げる。二つは、鉢植えの花を毎月一個、これを一年間続ける。三つは、ホームクリーニング券を一年間届ける。
 いくら現金とはいえ、三カ月もすれば忘れてしまう。ところが、これらの方法だと、忘れようとしても思い出す。「五万円相当」というのがミソ。
●D社は、施主に“ふるさと名品”を贈る
 やはり住宅会社のD社だが、今度は施主自身への贈り物として、施主のふるさとの名品を贈るようにして成功している。
 いまは、各地のふるさと名品が、PCのお蔭で一発でわかる。
 これは施主のふるさと感覚を刺激して大成功している。