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09年08月31日

楽しみなプレゼン

今朝の世田谷地方は折からの台風11号の接近により激しい雨が
降ったり、突然止んだりと変な天気です。
そして世の中の関心事の選挙報道の内容は何処も似たり寄ったりで
内容に新鮮味が有りませんが、日経新聞のWeb版にはオーストラリア
の新聞のThe Australianでは一面に今回の政権交代を「明治維新と
戦後復興に並ぶ出来事」と報じていると有って、ちょっと興味を引
かれる記事でした。

そんな事が有りながらの週のスタートですが、わが事務所では以前
の記事の「調査」に基いて現在プランをしている集合住宅のプレゼ
ンテーションを今週中には仕上げるような作業工程を組んでいるの
ですが、今回は今までと違うプレゼンテーションを考えていて、そ
の評価がどのような物になるのか今から楽しみと言った所です。

その内容に付いては、お話できる時が来ましたら皆さんにご報告を
したいと思いますので、その時まで待っていてくださいね。
09年08月31日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
昨日の話の続きで、建築基準法の集団規定と単体規定について。と
言ってもこの用語は法文の中に出てくる言葉では無くて法文の内容
について言われる俗称です。

そこで集団規定とは、都市計画法とも絡んでいて、建設しようとす
る敷地についての法律で、建蔽率とか用途地域における建築物の制
限等の事を言っていて、建物単体の事では無くて都市の全体的を秩
序立てている内容からこのように言われている訳です。

もう片方の単体規定は察しの通り建物のその物に掛かる法律で、構
造や安全に関する事が定められている法文で構造の性能はこのよう
な性能を確保する。とか部屋(基準法では居室と言います。)には
光が入る窓を基準に従って設ける事等が書かれています。

話をすると簡単な内容ですが言葉を聞いただけでは一瞬なんだろう
と思わせるような言葉ですね。
09年08月29日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月28日

建築基準法と選挙

世の中第45回衆議院議員選挙の事で溢れている毎日で、各党のマ
ニフェストを読み比べて「責任ある一票を」と言われていますが、
実際にはそれ程詳しく読んでいられないと言うのが実情では無いで
しょうか?それでも大筋の所は各報道で知る事が出来ますが、細か
い所になると実際に自分で見比べないと、と思っていた矢先に私達
の業界の専門誌的内容の雑誌「日経アーキテクチュア」に我々に関
係する内容のマニフェスト比較が出ていたので、ある種時間が省け
たと言う思いです。

20090828_01.jpg

さてその内容ですが特に目に止まったのは建築基準法の抜本改正が
民主党の政策に掲げられてると言う点で、昭和25年に建築基準法
が制定され、時代に即してと言えるのかどうか判らないような改正
が今迄はされて来て、皆さんもご存知の今回の改正にもなって訳で
すが、法律そのものが継ぎ接ぎだらけと言う感じで、以前より法律
改正がされる前には識者から抜本的な改正でなければならないと言
われていても、実際にはその場凌ぎの法律になっていたのです。

今回の改正に於いても急場凌ぎで無い法律にすべきと言う意見は取
り入れられずに、改正に至った経緯が有ります。
そんな事なので建築基準法改正に目が止まった訳で、その政策によ
れば単体規定(建築基準法には単体規定と集団規定と言う内容が有
りますが、その事に付いては別の機会にお話します。)に特化した
法律にすると言う事なので改定されると法律がスッキリとした物に
なるのではと思わせるのでした。

因みに、自民党のマニフェストにはこのような政策の記述は無いと
言う記事でした。
09年08月28日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
今年の10月1日以降に引き渡される住宅には「住宅瑕疵担保履行
法」が適用になると言うことを過去の記事で書きましたが、その内
容についての質問が有りましたので、あなたにも役に立つ事かと思
い此処に書いておきます。

この「住宅瑕疵担保履行法」は住宅の売主(不動産業者)や工事請
負業者が建てた住宅に構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止す
る部分には10年間の瑕疵担保責任が有りますが、建物完成後10
年以内に事故が起きた時に、それらの業者が倒産したり、資力不足
で修理が出来ない等の不都合が起きないために、業者に保険加入さ
せると言う制度です。(その保険金は建築主が負担する事になって
います。)

そこで質問されたのが、工事費を安価にする為に工事区分に従って
業者に分離発注する場合はどのようにするのかと言う事でした。
このような場合には瑕疵担保をする部位の工事をする業者が連名で
保険契約するとなっていますので、具体的には基礎工事担当会社、
躯体工事担当会社、雨水の侵入部位工事担当会社が連名で保険に加
入して瑕疵を担保します。

現在5社程保険会社がありますが、保険金は一律では無い事と保険
会社による設計基準が有りますので早い段階で設計者と相談して保
険会社を決めて置く必要があります。
09年08月27日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月26日

重要事項説明書

先日、現在の建物が二世帯住宅で出来ていて個室が多いので、知的
障害者支援施設のゲループホームにする依頼を受けて、現地を訪問
したのですが、一見して今回の計画は不可能と言うお話をしなけれ
ばならない結果となって仕舞いました。

グループホームに用途変更する場合には建築基準法上で共同住宅か
寄宿舎にするのですが、東京都の場合、敷地の形態による制限が有
りますので、訪問した家の敷地では改築では条件を満たす事が出来
ない為に、建て直さなくてはいけなくなるのでした。

依頼主は当然ビックリして、だってグループホームに使うと言う条
件でこの家を購入したのにそれが出来ないなんて、不動産業者に騙
されたと言う話になったので、建物を売買された契約書の一部であ
る重要事項説明書を拝見させていただく事に成りました。

この重要事項説明書とは宅地建物取引業法で、宅地・建物の売買契
約を行う場合、物件と取引についての重要事項の説明をしなければ
ならないので、その説明の内容が書かれた書類です。

説明書には、やっぱりと言うか当然と言うか、特記事項に「東京都
安全条例による制限が有ります。」と書かれていたのです。要する
にこの建物は共同住宅にする場合は建て直さなければならない事が
書かれていた訳です。依頼主はあれほど不動産業者に言ったのに、
と繰り返すばかりでしたが、このように書かれていてはどうしよう
も有りません。

不動産業は土地建物を売買する業者ですから建物を造るという視点
では考えていないのが一般的ですので、これから土地の購入を考え
ている方は、このようなことにならない為にも、土地探しの時から
建築家に相談する事をお勧め致します。
09年08月26日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月25日

緑化基準

東京都では平成12年より建築をする時に緑化を推進するために、
建築物の屋上も緑化するようになっていますが、いつの間にやらそ
の対象となる敷地面積が変更になっています。

正確には平成21年10月1日からですが、現在の基準では敷地面
積が1000m2の建築に対して地上部の緑化面積が敷地面積から建
築面積を差し引いた面積の30%と屋上面積の30%ですが、この10
月からは対象面積が5000m2になると言うことです。面積引き上
げに対して緑化面積も30%→35%と引き上げられますが、対象面積
が引き上げられるのは何だか時代に逆行しているような感じがして
しまいます。

20090825_01.jpg
この写真は二子玉川の玉川高島屋ショッピングセンターの屋上緑化の様子です。

建築物の屋上緑化は都心部での緑の喪失によるヒートアイランド現
象の緩和になる、都市的な部分と、屋上緑化による断熱効果が有る
と言う個別部分の両面での効果が見込まれると言う事で導入された
と思っていたのですが、面積が引き上げられる理由が良く判りませ
ん。このような事は報道されなければ、普段から関心を持っている
人で無い限り知ることは無いのが原状です。

私も調べていたら偶々判った事なので、此処に書きますが、報道機
関はもっとシッカリとして欲しいなぁ・・・ と思うわけです。
09年08月25日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月24日

周期運動の反応

昔、良く行く地下の店舗への道路からの階段でいつも最後の一段で
躓きそうになった事が有りました。

20090824_01.jpg

その階段は降りて行く時の最後の一段が他の階段の蹴上げよりも低
いのが原因だったのです。

人間は繰り返される運動に対して体が同じように反応すると言う事
で、そこに今までと違う物に出会った時の反応がどうかが問題にな
り、反応できなければ転んでしまう結果になると言えます。
人間はほんの少しの違いも感知できる能力が備わっているのだなぁ、
と、その時に実感したのでした。

階段を見ながらそんな事を思い出しました。
09年08月24日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月22日

ポイントはCM

この前、建設業者と話している時に面白い見方をしている話が有り
ました。

此処何年か景気は悪く倒産する企業件数も多い中で、不動産業や建
設業者も結構多いのが現状です。ハウスビルダーと契約したら家が
完成しない内に倒産した例などが報道されたりしていますね。

建設業者の仲間内だと噂が流れて、その企業の倒産の予測が出来た
りもしますが、一般の人にはその様な事は無理な話です。
そこで、一般の人でも予測できるような方法がCMだと言うのです。

CMを流すのにはそれなりの金が掛かりますが、建設業はそれ程利
益が上がる企業ではないので、CMを流す為には建設数を多くする
か1棟当たりの利益率を多くするしか方法は有りません。工場で製
作出来るようなものでない限り、利益率を上げるには職人の人件費
を削減する方向に向かうのが今のやり方に成ります。そうすると、
現場にしわ寄せが行き完成度が低くなると言う循環になって仕舞い
ます。

そんな事から、今迄CMを流していないハウスビルダー等がCMを
流すようになったら、危険信号が点ったと考えたほうが良いという
意見でした。
09年08月22日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月21日

ちょっとした事

我々設計者でドイツ、ステッドラー社製の芯ホルダーを使っている
人は結構多いのですが、その芯キャップが芯削りになっている事を
知らないと言う人がいたので、あぁ、そんな事もあるんだ・・・
と思って此処に書いておきます。

20090821_01.jpg

20090821_02.jpg

そんな訳で、この芯ホルダーの芯を挿入する部分の金属製のキャッ
プは、芯が入るようになっていて、差し込んで回すと芯が削れるよ
うになっています。

何の事は無い筆記具の部分ですが、表で芯削りに不自由した時に、
ちょっと便利な機能です。
09年08月21日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月20日

電気サーチャージ

7月23日の「電気買取りの行方」の中で太陽光発電を設置する人
には朗報と書きましたが、経済産業省の審議会で総合資源エネル
ギー調査会新エネルギー部会の買取制度小委員会で、この電気の買
取制度で買い取った電気料金の負担を電気事業者でなく広く国民が
負担する内容も議論されています。

えっ、余剰電力を現行の2倍の固定価格で買い取ってくれるだけで
は無いの?・・と、見落としてしまいそうな内容も有ったのです。

この小委員会の素案によれば前年に買い取った電気料金を翌年の電
気料金に上乗せする電気サーチャージとなると言う事です。そうす
ると太陽光発電して売電する人は良いけれど、太陽光発電をしない
人はただ負担するだけと言う事になって仕舞います。
これって不公平になって仕舞いません・・・?

特に問題になるのはマンション等の共同住宅に住まわれている人で
マンションに太陽光発電装置を設置するのは現実的でないので、こ
の買取制度の恩恵に預かれる機会が殆ど無いと言う事です。
何か良い事ばかりを前面に出しているような気がする買取制度です。


経済産業省総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会
http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/8.html
09年08月20日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月19日

使える発電装置

エネルギーの話の最終回は使える発電装置

自然エネルギーをそのまま利用するパッシブソーラー、循環型エネ
ルギーから2つのエネルギーを作り出すコジェネレーション、自然
エネルギーや循環型エネルギーから新たなエネルギーを作る電池各
種と見てきた訳ですが、それぞれに一長一短が有るので、選択に迷
わないように問題点を考えます。

太陽光発電
国の補助制度も有って、一番利用しやすい物ですが、太陽光発電で
問題になるのはその電池の故障や寿命の事。理論的には半永久とさ
れていますが、実際は15年程で発電量が相当落ちるようです。
又、物の影の影響(最近は影の影響を補う装置が発売されてはいま
すが)や、埃の付着などを考えて置く必要が有ります。

風力発電
太陽光よりも自然条件の影響が多く、安定して電気が出来ない。

燃料電池
今年(平成21年)の5月から補助金制度が始まったので、太陽光
発電と条件では同じです。
都市ガスやLPガスから水素を作り、水素を燃料として電気を発生
させる装置で、電気生成時に高熱を出すのでその熱を利用して貯湯
して利用する装置ですが、発電スタート時に電気が必要な事や毎年
或いは5000kwh発電のどちらかに達すると定期点検が必要で保証期間
が最長で10年で保証期間が終了して使用しても20年目には自動
で機械が停止するようになっている。
又、ガスから水素を作るために、その時に二酸化炭素を出すと言う
事も考えて置く必要が有ります。

蓄電池
鉛蓄電池やリチウムイオン電池は寿命が問題でレドックス電池はコ
ストの問題がある事、ナトリウム電池は溶液が危険物になる為に
家庭用として利用できる段階にはなっていない。

最近は太陽光発電と燃料電池の組み合わせをした提案もされている
のを見ますが、上記のような事を念頭に置いて機種選択する事をお
勧めします。
09年08月19日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月18日

電池色々

エネルギーの話の第3回目は電気について

現代社会では電気は不可欠な物であり、住宅で循環型エネルギーを
利用して電気をどのようにコントロールできるかが課題です。現在
住宅で発電をする方法として太陽エネルギーを使った太陽光発電や
風を利用した風力発電、水素を利用した発電などが実用化されてい
ます。

何れの方法でも電気は消費されるばかりなので発電量が消費量を上
回った時に買電と言う方法を取っていますが、電気を貯めると言う
方法ではレドックス電池、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ナトリ
ウム硫黄電池などが実用化レベルですがナトリウム硫黄電池は住宅
用としては利用が難しいです。

ちょっと聞いて誤解を受けやすい物に燃料電池という名称が有りま
す。この電池は水素やバイオエタノールなどを燃料として酸素との
化学反応によって電気を取り出すと言う物なので蓄電出来る物では
有りません。

昼間太陽光発電で発電された電気を蓄電して、曇りの時や夜などに
蓄電された電気を使用できれば個人住宅内で電気の循環サイクルが
可能だと思うのですが現在は未だそのサイクルシステムを作ろうと
すると設備投資が大きすぎます。
09年08月18日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月17日

暫しの景色

以前リフォームをした依頼主から先日連絡が有り、2階が何だか雨
漏れしているようなので見て欲しいと言われ、天井裏に潜ったり屋
根をベランダから覗いてみたりした結果、瓦の破損が見つかり、リ
フォーム時には問題が無かったのですが、この際屋根を軽くする為
にも葺き替える事になったので、今日は早朝から現場にて現場立会
いして来ました。

ベランダか覗いた時には見つからなかった所も屋根に実際に上がれ
ば良く判り、やはり屋根の葺き替えは必要な時期になったと確信で
きたのです。

このような事はそう多くは有りませんので、上ったついでに周りを
見渡せばそこには、あの石山修武氏の「世田谷村」の屋上に設けら
れた換気塔が静かに回転している姿が有りました。世田谷村は冷房
設備を設けていないくて、自然化換気で過ごしていると言う事なの
で、この換気塔が回転していると言う事は室内の空気が出ていると
言う事です。

20090817_01.jpg

暫し、辺りを見渡して屋根を降りたのですが、屋根は釉薬瓦なので
屋根瓦を葺き替えるためにこの瓦を取り除くのですが、その途中で
の屋根面は棟瓦の下地に使用した土が屋根面に散乱するので滑りや
すいので注意して降りたのでした。
09年08月17日 | Category: 工事
Posted by: shimasekkei
今日はエネルギーの話の第2回目、コジェネレーション

コジェネレーションは英語ではCo-generationと書きCoは共同とか
相互でgenerationは発生すると言う意味で、建築では同時に2つの
エネルギーを生み出す装置の事を言います。大規模建築で自家発電
装置やボイラーなどがある場合にエンジンで発電した時やボイラー
で暖めた時の今迄には破棄していた熱を利用するシステムの事です。

そのコジェネレーションを家庭用にしたのが今年になって発売され
たのが、家庭用燃料電池のシステムです。これは都市ガス(天然ガ
ス)やLPガスの既存ガスを供給源として、そのガスから水素を取
り出して、水素から電気を発生させる装置です。

燃料電池には「固体高分子形燃料電池 (PEFC)」、「りん酸形燃料
電池 (PAFC)」、「溶融炭酸塩形燃料電池 (MCFC)」、「固体酸化物
形燃料電池 (SOFC)」などが現在研究が進められている装置のよう
ですが、家庭用燃料電池に使用されているのは「固体高分子形燃料
電池 (PEFC)」です。

燃料電池は電気生成時に発熱をする為に、この熱を利用してお湯を
作り貯湯タンクに貯めておいてお湯を利用するようにしたのが家庭
用コジェネレーションシステムです。
09年08月14日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月13日

パッシブソーラー

これからの住宅を考える時に、「地球温暖化」「脱炭素社会」等の
言葉に代表されるようにエネルギーの問題が大きく関わって来ます。
そこで、エネルギーに関する事を中心に何回かに分けて、毎回1つの
テーマに絞って住宅を考え、最後に既存エネルギーの依存度を下げ
る住宅用システムの設置に当り注意点を考えたいと思います。

第1回目はパッシブソーラー

自然エネルギーを住宅に利用する事を考える時、太陽熱や風などを
利用して室内環境を整えるのですが、太陽熱を得る方法にも様々な
方法が考えられています。壁を暖めて置いて太陽が沈んでから熱を
発散させる方法(この方式をトロンプ型と言います。)太陽を床に
当て床を暖めて発散する方法(ダイレクトゲイン型)この二つの方
式を組み合わせたような温室を作る方法などが有ります。これらに
共通しているのは機械を使わないと言う事です。ですからpassive
(受動的)と言う言葉が当て嵌められている訳です。

このエネルギーの取得方法は太陽熱をコントロールするために軒を
深くして冬は直接陽が指し、夏は影になる様にする事です。
そして風の通りを良くして体感温度を下げるようにするので、建設
地の夏場の風向きによって開口部を考える事が必要で、単純に南側
と北側に窓を取ると言うだけでは目的を完全に果たしたとは言えな
いのです。
09年08月13日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月12日

耐震化意識

昨日の早朝に地震が有り東名高速に被害が出てニュースになってい
ましたが、私はと言うと全然気付かずに寝ていて、朝目が覚めてか
ら、ニュースで知ったと言う、何とも間抜けな感じの朝となってし
まい、これで自宅に被害が出るような地震だったら、被害者の一人
になっていただろう、と言われるかもしれません。

日曜日にも地震が有り、昨日と連続なので何やら大地震の予兆では
無いかと危ぶまれますが、気象庁の発表に拠れば今後起きるであろ
う東海地震との関連は否定されています。

このような地震が起きると家の耐震化の事が話題に成りますが、国
土交通省では平成17年に今後10年間に住宅の耐震化率の目標数
値を90%にしていて、達成は平成20年6月現在で79%となっ
ているようです。この数値を見ると結構耐震化が進んでいるように
見えますが、平成17年の出発時点で耐震化率は75%だったので
4年間で4%上昇したことに成ります。

その数値も住宅全体の数値で共同住宅も含まれていて、RC造等の
共同住宅は耐震化率が高くて戸建ての住宅が全体数値を押し下げて
いると言う結果なので、以前にも増して戸建て住宅の耐震化を図る
必要が有るとこのブログでも書いて来ましたが、一般の方の意識は
未だ未だ低いようです。
09年08月12日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月11日

四阿

昨日の続きで「四阿」のお話。これで「あずまや」と読むの?と思
うのですが、その通り。でも「しあ」とも読みますね。

この「四阿」は中国建築で「廡殿」(ぶでん)とも呼ばれ日本の寄
棟屋根と同じ形式の事。そしてこの「廡」(ぶ)(もしかしたらMac
では文字コードの違いからこの漢字は表示されないかも知れないの
で、漢字の解説をしますと、部首は「まだれ」でその中に「無」
の文字です。)の漢字は「ひさし」で家で何も無くて通路にした廊
下の意味だそうです。

もう1つは「阿」の漢字、この漢字には曲がったたるきの意味が有
り、4つの面から出来た屋根(屋根はたるきを組んで出来ている)
で「四阿」という事も言われているようです。

その様な事から柱だけで壁が無く屋根が寄棟の建物を「四阿」(あ
ずまや)と呼んでいるようです。

あずまやを調べると、関連して「真屋」(まや)と言う文字が出て
きます。この真屋は古代において前後に両下がりの屋根面を持つ建
物と言う事で簡単に言えば切妻屋根の事、この屋根形状は四阿より
格が上だと考えられているそうで、神社本殿の多くが切妻屋根なの
はその為だそうです。(古代建築技術の為だと思っていてので、目
から鱗状態)この「真屋」と言う言葉は「出雲国造神賀詞」(いず
もこくそうかむほぎのことば)と言う天皇に奏上した物の中に出て
くるそうです。

まぁこのあたりになると歴史そのものという感じで建築と離れてし
まうのでこれまでとしますが、建築の事を調べてみると、色々な事
が次々に出て来て面白い事が多いです。
09年08月11日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月10日

東屋

公園や自宅の庭などに休憩所として柱と屋根だけで出来ている建物
を東屋と言いますが、どうしてこのように言うのだろうと思った事
は有りませんか?

20090810_01.jpg

そんな訳で、ちょっと調べてみると、室町時代の1547年頃に出来た
国語辞典「運歩色葉集」(うんぽいろはしゅう)にこの言葉が出て
いて”四方に壁の無い屋の総称”だそうです。

もう1つ他の意味では古代では寄棟造りの事を「あずまや」と言い
草屋根などの民家に多く見られ”あずまの田舎屋を暗示している事
が多い”そうでその「あずま」は辺鄙なところで、一説には都から
見て東のほうを言うとも有ります。何?そうすると現在の関東地方
(昔は坂東と言われた。)まぁ、都から見れば随分と辺鄙な場所で
ですね。

東屋にはもう1つの漢字で「四阿」とも書きますがこのお話は、又
明日と言う事で・・・。あっこの写真の「東屋」は個人のお宅の庭
の物です。こんな大きな東屋が有ってもオーバースケールにならな
い広い庭です。
09年08月10日 | Category: 建築を楽しむ
Posted by: shimasekkei
09年08月07日

張りぼて

先日お話しました共同住宅の現地調査も概ね終了して、これからは
それらのデータを入力して、基礎データとする作業なのですが、

現地を見て改めて気になったのが近年建てられた共同住宅があまり
にも”張りぼて”の感じを受けた事。道路からはセキュリティーら
しさを演出してオートロックなどの仕様になっているのですが、
ちょっと裏手に廻ればそこには、今迄と同じ外廊下、外階段タイプ
の物(此処で写真を掲載してしまうと特定な物になってしまうので
掲載はしませんので想像しながら読んでください。)

外廊下が道路に面している物になると入り口はオートロックですが
廊下の手摺を跨ぐ事が出来るので、オートロックの役目を果たさな
い物まで有りました。元々オートロックの問題点はこのブログでも
指摘していますが、改めてそれらの数は増えているようです。

建築を設計する身としてはこのような建物は造るまいと反面教師に
なった現地調査では有りました。
09年08月07日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月06日

家具で間仕切り

下の子供が中学生になるので、リフォームをしようかと思う、と言
う相談を受けて、自宅を拝見させて頂き、私が提案したのがこの写
真。

20090806_01.jpg

20090806_02.jpg

一見何だか判りませんが、これは間仕切り兼用の2段式ベッドの模
型です。最初に考えていたのは左右に仕切るために中央に2段式の
ベッドを置こうと考えていたのですが、2人の子供にそれぞれ窓が
有って欲しい事と風水で机を北に向けたいと言う希望が出た(親は
いつでも子供の事を考えていますね)ので中央にベッドを置く案を
破棄して新たな展開を導かねば。それで考えたのがこのベッドです。

ベッドの一面が竪格子になっているのは、一面の壁にすると狭い
ベッド内の換気が悪くなり蒸し暑くなるのを避けるために、風通し
を良くしようとした物、家具で仕切ると将来的に部屋の使い方が自
由になるのと、リフォームするより、金額が安くなるのでお勧めし
たら、快い返事を頂いたのでこれから工務店に見積りの依頼です。
09年08月06日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月05日

床下環境

家の収納で床下収納の要望を出される理由に床下は冷暗所になるの
で漬物などを置くのに都合がよいと言われます。

その様な場合に、現在は木造軸組みでも様々な仕様があり、その中
でも外断熱を選択する時には注意が必要です。
外断熱の場合基礎も断熱します。そうなると、基礎に換気孔を取ら
ないで他の部屋と同じような室内環境が床下に出来るので、床下は
冷暗所にはならないのです。

その事を忘れて漬物などを置いて腐られて仕舞わないように注意し
て下さい。事前にこの事を話していても、床下は冷暗所だと習慣に
なっているので忘れる事が多いです。
09年08月05日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月04日

調査

現在、ある共同住宅の計画があるので、その計画に入る前に何時も
の事ですが、現在競合になるエリアの調査と将来の入居動向を推測
する為に、不動産の調査やら、エリア一体を一軒一軒見て廻って
建物チェックをする調査が始まりました。

20090804_01.jpg

まぁ現在の流行言葉で言えば「変数の認識化」でしょうか、その様
な調査を行った後に、将来需要を予測して計画に落とし込んでゆく
事になるのです。共同住宅の場合、戸建ての専用住宅と違い事業と
いう経済要素が絡みますので純粋に街と建物だけの関係とは行かな
い所が、面白くも有り大変な所でもあります。

そんな単純な作業は人に任せれば良いのにと言う意見もよく言われ
ますが、出てきたリポートを見るだけでは見落としてしまう事が結
構あるので、やはり自分でやってしまうと言う事になって仕舞います。
09年08月04日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年08月03日

机上グッズ

今朝探し物をしていたら、ひょんな所から昔買った物が出てきた。

20090803_01.jpg

それは写真の物です。何か判ります? これボタンが埋め込まれて
いて手前にUPの印刷、"button up"と読んで、「うるさい、黙って
ろ」と言う意味。これを机に置いて、しずかに上司に抵抗していた
時が有ったという事。

そんな大げさな事でも無いのですが、ちょっと面白かったので
買ったのですが何時のまにやら何処かに隠れて、あれは何処に行っ
たのだろう思っていたのが、思いがけず見つかって、写真に収めた
と言う訳です。 さすがに時間が経っているのでアクリルの一部が
経年変化していますが、それはそれで面白いという物です。
09年08月03日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年08月01日

ボンエルフ

20090801_01.jpg


今日から8月で旧暦の月名を充てて「葉月」と呼
ばれているのは皆さんご存知のとおり、葉月の
語源は諸説あるようで定まっていないようですが、
どの説をとっても秋の気配を感ずる説で現在のこ
の月に充てるのには季節感はぴったりしていない
と感じます。
そんな8月の始めの朝に砧公園の脇の道を通る
と蝉の鳴き声の大合唱で、この道を通り過ぎても
頭の中が蝉の声に占領されています。





20090801_02.jpg

そんな砧公園の直ぐ近くにNHKの技術研究所が有り、何年か前に
建物が建て替えられたのですがその時に建物脇の道路も整備された
のがこの写真。この道路直線な為に道路にハンプ(出っ張り)を設
けて車のスピードを落とすための効果があるとして、1970年代に
オランダで導入された「ボンエルフ」と言う歩行者と車の共存を考
えた道路の手法です。

日本では建築家の宮脇檀氏が住宅街のコモンとボンエルフと言う事
を早くから紹介していたと、記憶しています。
このNHK技研脇の道路には本来のボンエルフの駐車スペースは無
く道幅も広いので歩車共存には少し距離があるようにも感じますが
それでもこのような道路形態が認められるようになったのは行政対
応の進歩と言えるのかも知れません。

09年08月01日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei