07年12月18日

留学生と起業

問 私は今大学の修士課程に在籍しています。修了後は一応就職を考えていますが、日本で起業することもひとつの選択肢と考えています。実際問題として、起業するためのビザの取得は可能でしょうか?

答 はい、条件付ではありますが、平成19年から留学生活を終え、起業準備をする留学生のために、一定期間の在留(日本滞在)が認められるようになりました。それは留学生が、一旦会社を設立して起業するために必要な期間だけ、「留学生」の資格を「短期滞在」(最大180日)の在留資格に変更することが可能になったということです。起業後は、さらに本来の「投資・経営」の在留資格に変更することになります。

ただ、そのためには厳しい要件があります。例えば、500万円以上の資金調達ができること、起業に必要な施設(事務所、店舗)が確実に確保されている(見込みを含む)こと、大学からの推薦状が得られること、さらには大学からの起業支援が得られること、具体的には、事業計画の策定や資金調達に関する支援措置、経営セミナーへの参加支援措置等のひとつを受けられること等、変更のための要件が多岐に渡ってあります。
もちろん、起業が不可能になった場合は帰国しなければならないことは言うまでもありません。

このように「留学生」から「短期滞在」の在留資格、さらには「投資・経営」の在留資格へと変更することが可能となりましたが、重要なことは、起業するだけではなく、その事業が一定の収益を上げていく見込みがあるかどうか、また、そのために資金調達ができるかどうか、さらには、あなたの出身大学の協力が得られるかどうか、なのかもしれません。

なお、卒業後に起業するためには、卒業の3ヶ月位前から大学の関係部署に相談して準備を始めなければなりません。詳しくは、メールか電話でお尋ねください。
07年12月18日 | Category: 留学生あれこれ
Posted by: asiannetwork
07年12月17日

外国人の会社設立

問 私は日本の大学を卒業して、「人文知識・国際業務」の資格で観光会社に勤めて4年になりました。そろそろ、これまで培って来た人脈を生かして旅行業界で起業してみよう、と考えているのですが、このまま退職して会社を設立することは可能でしょうか?

答 はい、会社を設立するだけなら、それほど難しいことではありません。ただ、事業の内容によっては、法令により大臣または知事の許可が必要となる場合があるので注意が必要です。

仮に、株式会社を設立するだけなら、現在の改正商法の下では登録免許税150,000円と電子定款の認証費用50,000円(税別)と他に行政書士への手数料さえあれば比較的簡単ではあります。

問題は在留資格です。在留資格と会社設立とは、準拠法が異なり全く別な手続きです。いくら会社を設立しても、在留資格が許可されなければ何にもなりません。

ところで、現在の「人文知識・国際業務」の在留資格では、原則として在留期限が来たら帰国しなければなりません。なぜなら、この資格は、現在たずさわっている業務に対して「人文知識・国際業務」の資格が認められているだけだからです。

もちろん新規事業でも、この資格に該当する業務があるとは思いますが、代表取締役に就任すると経営・管理が業務の中心になるので、この資格のままでは極めて難しいと思います。

そこで、現在の「人文知識・国際業務」から「投資・経営」の資格に変更しなければなりません。
但し、新規事業を行なうために、この資格へ変更することも、実際はとても難しいと思います。
少なくとも、先に会社を設立して登記を終え、日本国内に居住する2人以上の常勤職員を雇用しているか、若しくは初年度に年間500万円以上の資金調達をしなければなりません。もちろん事業計画書も作らなければなりません。

このようなわけで、私はむしろあなたの場合は、あと数年待って「永住者」の在留資格の許可を得てから起業することをお薦めします。
というのは、現在の入管法では「日本人の配偶者等」、「定住者」、「永住者」、「永住者の配偶者等」の4種の在留資格には、日本国内の活動に対する制限がないからです。

なお、あなたが他の人が設立した会社で「人文知識・国際業務」の在留資格の許可を得られるのであれば、数年後その会社の役員に就任して、改めて「投資・経営」の在留資格への変更を申請することも可能ではあります。
07年12月17日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私は、来年4月日本の菓子メーカーに入社が決まっています。以前この会社の説明会に行った時、幹部社員の方が「当社は、優秀な学生であれば日本人や外国人を問わず採用するつもりです。」と言っていたので、就職試験を受け採用されました。
ただ、最近とても不安なことがあります。それは、私の大学の先輩に「その会社で就労ビザは、きちんと取れるの?」と聞かれたのです。私は念のために、その会社の人事の方に電話して「就労ビザへの変更のために、何か用意するものはあるでしょうか?」と聞いてみたのです。ところが、その時人事の方がビザについてあまり知らないらしい、ことが分かったのです。その会社に他の外国人がいないこともあり、私は今から就労ビザへの変更について、心配で心配でたまりません。

答 そうですね、実際のところ、そのような会社は日本にはとても多いのです。私事ですが、私の家内も先日、近所の会社にパートの面接に行って採用はされたのですが、人事の方に何度も「資格外活動の許可証」のコピーを提出するよう求められて困っていました。
日本の入管法では「永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」の4種類の在留資格者には、日本での就労の制限がないはずなのですが・・・・・。

一般的に、留学生が就職する際に認められる在留資格としては「人文知識・国際業務」(例、通訳・翻訳)か「技術」(例、IT関係)が圧倒的に多いようです。
そして、「留学生」(または「就学生」)の資格から、これらの資格に変更するためには、そもそも就職先に、これらの資格に該当する業務が相当あり、且つ会社の経営状態も健全であることが必要です。留学生(または就学生)自身もこれらの資格にふさわしい能力や感受性、そして「技術」資格の場合には、さらに原則として大学や専門学校において、会社が求める「技術」資格にふさわしい専門科目を履修していることが求められています。

仮に「あなたはとても優秀だから、ぜひわが社の管理部門で勤務してください。」と言われても、その業務に関する在留資格が認められなければ、在留(日本滞在)すらできないことになります。

あなたは、今からでも遅くないから、一度その入社予定の会社を訪問して、あなたの在留資格について、もう一度人事の方に率直に相談してみたらいかがでしょうか。人事部門の中には、もっと詳しい人がいるかもしれないし、分からなければきっと調べてくれると思います。

ただ、会社の中には新入社員の在留資格のために、申請書類の一つである「決算書(損益計算書)」の提出すらためらう会社があるかもしれません。けれども、そもそも在留資格の変更は、会社ではなく、あなた自身が許可申請するものなのですから、もっと積極的に確認する必要があります。あなた以外の誰も責任を取ってはくれません。
そして、どうしてもその会社では在留資格が認められないようであれば、あなたは一刻も早く辞退して、できれば卒業後なるべく早く就職活動のための短期滞在ビザ(90日、最長180日)を取得することも含めて、新たな就職活動を再開することをお薦めします。

なお、分からないことがあればいつでも気軽にメールで質問してください。
07年12月04日 | Category: 留学生あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私は来年3月に卒業する留学生ですけど、日本企業で働きたいので日本の大学を選びました。でも、まだ就職が決まっていないのですが・・・・・?

答 うーん、大変ですね。3月までに就職が決まらないと、在留資格が切れて帰国しなければならないものね。それに、留学生の在留資格が切れる2〜3ヶ月位前には、在留資格の変更許可申請もしなければなりません。

今日は少し行政書士を離れて、企業で新卒や留学生の採用を担当してきた者としてお答えします。参考になればと思います。

一般的に、留学生の皆さんの就職活動は、大学からの紹介はもとより、就職サイトやナビに登録してエントリーすることが中心ですよね。
だけど、残念ながら今はもうこれらのサイトやナビは、2009年(再来年)の新卒採用活動が中心になっていますよね。

ところで、これらのサイトやナビに掲載されている企業は、あまり学生に人気のない企業でも最低10倍以上の競争倍率になっているものです。つまり、多くの学生は就職試験に落ち続けて、運が良ければどこかの企業に採用される、というのが就職活動の現実だと思うのです。
実際のところ、これら日本人学生と競争しなければならない留学生は、もっと大変ですよね。

そこで、この時期に来たら、もうサイトやナビや大学の紹介は諦めて、あなたが直接企業にアタックすることをお薦めします。

というのは、この時期になると、企業側でも入社予定者が卒業できなくなったり、大学院への進学や他の事情で入社辞退者数が予想を超えてしまったり、さらには急に自社の海外進出や取引の方針が決まって、欠員を補充するために、急きょ留学生採用ニーズが発生することも稀なことではないのです。

では、あなたはどのように最後の就職活動をすればいいのでしょうか?

まず、10000円で往復ハガキを100枚ほど買ってきてください。次に、企業のリストを入手してください。留学生が就職し易いのは、すでに海外進出や海外取引をしている企業です。
北海道の場合は、「ジェトロ」(日本貿易振興機構)の海外進出企業等が参考になるでしょう。
ひょっとしたら、あなたの母国のあなたの出身地に進出しているかもしれません。それこそチャンス!チャンス!です。これらの海外進出企業は「ジェトロ北海道」のHPで公開されています。なお、東京・大阪方面なら、他の企業リストもあります。

そして、思い切って自分が就職したい企業に、往信ハガキで「自己PR」と「会社訪問をさせてください」と書いて送ってみてください。
ちなみに、学生が往復ハガキで就職について問い合わせすることは、企業にとっても特に失礼なことではありません。むしろ「当社に関心を持ってくれてありがとう」という気持ちの企業が多いと思います。

返信をもらうコツは、宛名を「人事ご担当者様」とすることです。決して「社長様」ではありません。「社長様」宛だと、秘書か他のスタッフに捨てられてしまう可能性があります。
中小企業でもしっかりした企業の人事部門というのは、本業の評判を気にしますから、普通は自社を希望する学生に親切なものです。

だけど、残念ながらほとんど返信されないか、すでに採用が終了している旨の返信が届くものとお考えください。

でも、その中に1〜3通位は会社訪問OKの返信が来ることを信じてください。この時期に会社訪問OKの返事が来たら、遅まきながらあなたの本当の面接試験の始まりですよ。後は、あなたのスマイルと運次第です。頑張ってください。

以上、少し参考になりましたか?

NEVER NEVER GIVE UP !
07年12月04日 | Category: 留学生あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私の彼は日本に留学に来て、途中で大学をやめてフリーターをしています。今はオーバースティの身です。でも、東京の友だちに聞いたら、外国人でも日本人と結婚したら、そのまま日本に残ることができると聞いたんですけど・・・・・・・・?

答 ちょっと違うなー。問題を整理しましょう。まず彼は「オーバースティ」と言えば聞こえはいいけど、日本では単なる「不法残留者」に過ぎないのです。だから、いつどこで逮捕とか収容されてもおかしくないのです。
例えば、あなたと彼が仲良く自転車に乗っているだけでも、二人乗りで警察官の指導や職務質問を受けて、彼が「不法残留者」と分かったらそのまま逮捕されることもあり得ます。あるいは、彼の隣りの人が入国管理局に通報しても収容されます。だから、基本的には自ら入国管理局に出頭して、不法残留の旨を告知しなければならないのです。

不法残留者が出頭したら、入国管理局では違反事実の調査と審査を行います。この調査と審査の間は、原則として収容されますが、書類上「仮放免の申請」を行なって、収容されずに家に帰され審査が続けられることも多くあります。もちろん、家にいるからと言っても働くことはできません。

違反判定を受けたら、「違反判定通知書」が交付されます。その後、3日以内にあなたの彼が書面で「在留を希望する旨」の「異議申し出」を行い、その異議の理由、家族状況、生活状況、素行等を総合的に勘案して、暫定的に「在留特別許可」が与えられることがあります。

その「在留特別許可」の諾否判断のガイドライン(平成18年10月、法務省入国管理局)によると、判断の積極要素として「夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力し扶助していること。」が挙げられています。

もちろん、判断要素はこればかりではありません。彼が他に違反している事実がないか、彼とあなたの収入や彼が大学を中退した理由、彼の母国での経歴等も含めて判断の重要な要素になることでしょう。

だから「オーバースティでも日本人と結婚したら、そのまま日本に残ることができる。」と簡単に考えるのはとても危険です。
一度この入管手続きに詳しい専門家に相談してみたらいかがでしょうか。専門家なら、ベストでなくてもあなたが選択すべきベターな方法を教えてくれますよ。

なお、あなたが本当に彼を愛しているなら、1年位彼の国で一緒に過ごして、一緒に日本に帰国する方法もあるんですけどね・・・・・・。
07年11月20日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
ページ移動 前へ 1,2, ... ,10,11,12 次へ Page 11 of 12
新着ブログ10件
留学生と起業外国人の会社設立就職に伴う就労ビザへの変更来年3月卒業ですけど、まだ就職が・・・・・彼はオーバースティ、でも結婚したら・・・・友人の入国ビザ学生の彼女との結婚母国にいる弟の入国ビザSocial Business ( 社会的に意義ある仕事 )行政書士のプロフィール
コメント・トラックバック
カテゴリー
All
オフィスの所在地
オフィスの理念
中国語会話教室アジアンネットワーク
国際結婚あれこれ
在留資格あれこれ
帰化許可申請あれこれ
無料相談のメールアドレス
留学生あれこれ
行政書士プロフィール
アーカイブ
月別アーカイブ
人気ブログ10件