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「名ばかり管理職」というやや字余りの奇妙なネーミングが取り上げられている。
「労働基準法第41条第2項管理監督者」問題として社会保険労務士なら、空で処理してしまえる労働問題の定番である。かつて銀行において横行していた不正慣行である。

深刻なのは、大手一流企業が敢えて法違反に走っているということなのである。大手企業の従業員の質が落ち、そして貧民根性から(大手がまかり通るなら我も‥‥)という悪循環である。

最善の問題処理は、経営者相当にふさわしい高給を与え、労働時間に関し裁量を与えることでしかない。そのような処遇を与えるべき者が実際多いようである。

確かに、「労働者」と「経営者」との境界のクロスゾーンは広くなっている。身分としては労働者だが、職務内容はほぼ経営者といってもよい者が増えた。一つの職場でランクアップする人事環境なので、上役が定期的に変更するような欧米型もしくは公務員型とは異なり、クロスゾーンは自然と広まる。年功型風習も健全なだけに、実際の経営者も彼らが頼みである。

ただ、このことと裁判の仕方とはまったくスリ合わない。
「従業員としての地位確認」「月額賃金50万円の支払いを求める」という趣旨の請求は、なかなか広いクロスゾーンの者にとって抵抗がある。こういうものと割り切るしかない。労務管理の方の流れとしては、労働者という身分は重視せず、契約内容を重視する傾向が強まっている。
その会社の昇進昇格人事、勤務期間の長短、入社経緯、仕事内容の性質、などから「労働者」の定義を個々個別に出していかなくてはならない。
08年07月28日 | Category: General
Posted by: roumushi
7割の人が「憮然=腹立て」と誤用、文化庁の国語世論調査

≪日本語の慣用句や言葉の使い方について、文化庁が世論調査した結果、70%以上の人が「 檄 ( げき ) を飛ばす」や「 憮然 ( ぶぜん ) 」の本来の意味を取り違えていたことがわかった。≫

1.「檄を飛ばす」
これは反則。「元気のない者に刺戟を与えて活気付けること」を正解としているが、そんな柔らかい意味ではない。
国語辞典で「檄」を確認すると、「敵の罪悪などをあげ、自分の信義・意見を述べて、公衆に呼びかける、また、決起をうながす文書。(檄文)」とあり、これなら誰でも正解を選んだだろう。

2.「憮然」
これもやや反則。正解は「失望してぼんやりしている様子」とある。しかし、これが転じて「あきれて驚くさま」と辞書にあり、「腹を立てるのも損」のような感情で誤答の方が正解だろう。

3.「さわり」
これはまちがえる方がおかしい。リフレイン(ルフラン)の部分である。

4.「煮詰まる」
さて、これはこまった。大方の議論も出尽くし、結論を出す状態なのか、大方の議論が混戦して結論が出ない状態なのか。本来は、「煮えて水分や汁がなくなる」状態で、あとはそれをどう釈るかの話である。現代人は、水分がなくなるまで煮詰めてしまうとどうしようもない、と解釈しているわけである。

5.「琴線に触れる」
これもまちがえるのがおかしいが、「感動や共鳴を与えること」という正解がそもそもおかしい。心のなかの微妙に織り込まれた襞に触れるといった意味である。

6.「足をすくわれる」「足下をすくわれる」
「論戦を張る」「論陣を張る」
「心血を注ぐ」「心血を傾ける」etc.

これらがまちがわれる原因は明瞭である。文字中心文化から発声中心の文化に変わったためである。英語圏での、スペルがよくまちがわれるというものと性質が似ている。

7.カタカナ語各種(省略)
これは意味が伝わらないことが多く、勘弁してもらいたい。所謂「ルー語」である。
08年07月26日 | Category: General
Posted by: roumushi
08年07月21日

研修計画予定

・9月17日(水)午後6時半から
「年金特別アドバイザーの対応状況など」(仮題)
大阪府社会保険労務士会館にて
対象は淀川労務研究会会員

当研究会前期計画は次の通り。
「派遣業について」(済み)
「生活保護と社会保険」(済み)
「年金特別アドバイザーの対応状況など」(仮題)
「旧令共済について」
「旧法(給付)」
「旧法」
なお、「共済」については継続検討課題

年金については従来 国民的な関心が低かったことから、現在の「年金問題」への対応は多くの問題が露呈することとなった。しかし、「とくべつ便」での国を挙げた対応は、多少の混乱を経ながらも、積極的に進められている。
また、「とくべつ便」は単なる記録統合や確認作業にとどまらず、それをきっかけとする年金と国民生活との関係の確認作業といえる。特に、基礎年金番号設定以前に受給(死亡)している者を含めるため、新法は無論、旧令共済、旧法、共済、沖縄特例など正確な対応が必要となる。したがって、窓口実践から後方支援までの年金相談員の養成が喫緊の課題である。

・12月19日(金)午後6時半から
「苦情対応など」(仮題)
大阪府社会保険労務士会館にて
対象は大阪府社会保険労務士会人間労使関係研究会会員

「日本の政治は完全な民主主義ではなく、世話人政治主義ですので、個々の国民が個別に考えたところで影響はありません。選挙には影響させることができるという社会ですので、何党がいいかとか、国会議員の誰が自分と同じ考え方かというところで考えるべきでしょうね。」

いかにも夢を奪うかのような発言ですが。「年金問題」でいうと、世話人にまかせていたが、きちんとやっていないことがわかった。しかし、国会議員は官僚が悪いといい、官僚は国会議員が悪いという。敗戦後文学者たちは、こうした「政治のカタチ」の問題に取組んできましたが、未だにスッキリしません。また一方で戦後は「シラケ」ムードとなり、具体的な解決を求めようとしない風潮が続きました。魑魅魍魎の棲む世界として、普通の国民は「国会」に背を向ける始末です。世話人にまかせていたというよりも、好きなようにさせていたというべきでしょう。こういう国民を束ねるのは大変なことです。こういうことは国会に限らず、会社でも私的な団体であっても普通に経験することです。こうした風潮に変化をもたらしたのが、「年金問題」です。自分の老後の生活がかかっているわけですからやはり、きちんとやってもらわなければ困るわけです。
残念ながら年金問題については窓口での対応は限られたものになり、多くは応じられない性質のものになりますが、国と国民の関係について考えさせられるものがあります。
08年07月21日 | Category: General
Posted by: roumushi