社会保障論などという学問は図書館でもほとんど探せないぐらいのマイナー分野である。あったとしても、統計データなどを詰め込んで、無味乾燥な内容のものというイメージがある。そもそも、肝心要の人文社会分野の学問は閑古鳥が鳴いている。
したがって、戦争末期と同じく、日本の社会保障は少しギャンブルに近い状態である。特攻命令を出したが、反対意見が多く、しばらく様子をみて修正するといった具合に。シュミレーションがあまりされていないことは誰にでもわかる。戦争遂行体制批判の過程で、シュミレーションできる国民体制を作らなければならなかったのだが、戦後は「戦争反対」の方に一直線で走ってしまった。ところが実際は、戦争反対ではなく、多くの国民は「なるがまま風の国民管理のひどさ」に反対していたのである。目的と方法とがまったくマッチしていないところは、スローガンやプロパガンダなどの指向性に頼りすぎていることが原因である。閑話休題。

<後期高齢者医療制度>与党内で見直し案百出 調整厳しく

※「年金からの保険料天引き制度は改めないといけない」
・天引きでなければ保険料徴収は難しい。国民年金参照。

※「このままでは次期衆院選を戦えない。最終的に制度を廃止すべきだ」
・議員の社会的評価がまた落ちる。やはり他人事かと。

※「老人に肩身の狭い思いをさせる『姥(うば)捨て山』だ」
・老人保健制度からそもそも独立していると考えるべきである。医療保険制度も一元化するのかどうか。