新年金制度の基本原則

(1)年金一元化の原則(全国民が同じ一つの制度に加入)
(2)最低保障の原則(最低限の年金額の保障)
(3)負担と給付の明確化の原則(負担と給付の関係が明確な仕組み)
(4)持続可能の原則(将来にわたって誰もが負担でき、安定的財源を確保)
(5)「消えない年金」の原則(年金記録の確実な管理と加入者本人によるチェックができる体制)
(6)未納・未加入ゼロの原則(年金保険料の確実な徴収により無年金者をなくす)
(7)国民的議論の原則(国民的な議論の下に制度設計を行う)

1、年金一元化でない現在、他保険者についてはその制度を押さえるのも大変であるし、また手続き状況など見えない(なお、ねんきん機構内においてもそうだが)ため、国民にとって不便である。
2、現行憲法を根拠にするものである以上、現在無年金国民が生じていることは問題であり続けた。
3、社会保障である以上、税の投入がある限り、それほど明確にはならないが‥。最低保障の上乗せ部分についてなら理解できる。
4、これが一番難しい。諸問題の源泉のひとつである企業の事務と保険料との負担をどうするか。
5、定期的な確認手続きにより今後は大丈夫であろう。
6、このあたりになると、やや首を傾げてくる。新年金制度の基本原則といいながらも、実際には現行制度の状況をベースにしたものだとわかるため、反応しにくい。
7、これも実際には難しい。日本人は国民的議論には参加しない性質が強い。期待してもすかされる可能性が高い。だから、「ポーズ」がまかり通って、ここまで無関心のまま来てしまったのである。といって、ここまで関心が高まった今、従来の「ポーズ」によっては危険極まりない。ただ、まだ「国民的議論」が繰り広げられるにまで達しているとは言い難い。せいぜいテレビのコメント程度がいいところであろう。それほどには真剣さが足りないということだ。

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日本では今働き盛りの人間が生活保護を受けているという状態である。生活保護者は色々な理由で身動きが取れない。確かに、過労死寸前の人やローン地獄の人や介護うつにかかっている人と比べると血色は良いが、先(自立)が見えない。年金など貰えるとは考えてこなかった世代が今、ようやくそこそこの年金を受給し始める。しかし、その働き盛りの人間には現行法で、65歳まで年金受給は普通に開始されず、しかもその額は生活するだけのものにはならない(さらに65歳よりも後の67歳などからといった改正もありうる。)。日本はもう下がっていくだけなのか、であればいずれ中国から経済シフトするであろうベトナムなどに行けば、日本より楽に生きていけるかも知れない。
そこまで考えが進むほど、日本には潜在的可能性が枯渇してきているようにみえる。