従来、「判例」「裁判例」を利用していたが、それは何を求めた事件か、事案においての法律判断はどういったものか、を重要視していたものである。おそらく皆さんも、その結末を労務管理や労働相談に役立てておられるに違いない。
ところで最近、パワハラの事件と労働時間の事件の裁判例を詳しくみる必要がでたため、判決文をみることにした。ネット社会はありがたいもので、上手く検索すれば判決文の全文をみることができる。尤も、判決文の構成がイマイチわからないので、抜粋なのかも知れないが。
パワハラについてはA4換算で14枚、労働時間については同39枚の容量である。原告の主張、被告の主張、事実、証拠(略してあるのが普通)、主文と裁判所の各主張事項についての見解といったものを読む。

パワハラはそうではないが、労働時間の事件(厳密には未払い賃金請求事件)となると労働組合員の事件であることがほとんどであるから、従来からの団交の経過といった労使関係の経緯、私的自治の模様などがうかがい知れるものである。労働時間に関する労務管理は面白みこそ無いにしろ、判決文全文を読むと色々と得るものが多い。これによくして次々と読む気にはなかなかなれないが、また人に勧めても誰もやろうと思わないだろうが、判例集止まりでは限界を感じないわけにはいくまい。