今回の10.1改正は、雇用情勢(社会情勢含む) の現状分析を中心に据えて改正されたものであり、従前の取扱いとはかなり異なる点があります。
註−資格等は原則10.1以降の状態で判断。一部経過措置あり。なお、以下はまだ確認中のものもあります。

1、被保険者区分の1本化 (雇用情勢の変化、非自発的離職者の保護、不当受給措置)
従来の被保険者は「一般」「短時間」の区別がありましたが、廃止。用紙も改訂。離職日前2年間に被保険者期間11日ある月が12必要。非自発的離職、特定受給資格者は1年間に6もしくは2年間に12。

2、受給資格要件
A社で受給資格を得て受給せず、B社で受給資格を得る前に離職した場合、従前はまだA社だけの資格で、その受給期間内であれば給付を受けることができましたが、今回はその取扱いをしなくなりました。B社で資格なし、A社で資格ありのケースでは、最終B社の資格なしという判断となります。
・受給資格なくとも離職証明書は提出。
・B社の履歴は管理されているため、隠してA社だけで受給しようとするとハネられる。

「2枚以上の離職票のある求職申込者につき、後の離職票(被保険者期間が15日未満である場合を除く) の離職理由を判定した上で、順次遡って被保険者期間が12月、あるいは6月となるまで通算する。なお、前後の離職票が単独で受給資格を満たしているかどうかは影響を与えない。」
・B社で法的な試用期間(14日)内であれば、A社の資格は生きているように読める。

少し複雑で、審査請求が増えるカモシレナイ。

3、1年未満の有期契約で、更新を期待させていたが、更新されなかった場合は、特定受給資格者として認定。ただし、1年以上勤務している者は除く。
なお、有期契約で短時間労働者は被保険者にならないので留意。

4、被保険者期間が6ヶ月以上12ヵ月未満の者で、正当な理由により自己都合退職した者は、特定受給者として認定。但し、暫定措置。
従前では、所定給付日数はそのままで給付制限をしなかった扱いの者。ちなみに、「正当な理由」の内容はかなりレアケースのもの。

5、外国人の資格取得・喪失に際して、雇用状況報告を義務化。(雇用対策法改正 ※法律条文として)
特別研修区では『女工哀史』と同じ問題が起っており、逃亡者が相次いでいることや、不法就労化の阻止など治安問題が絡んでいるみたいである。
実務としては、資格取得・喪失届へ登録証明書にて国籍・在留資格・在留期限等を記入することが報告となる。登録証明書の写しなど添付する必要はなし。また、雇用保険の適用でない者については、様式第3号の状況届を行う。人権について配慮すること。