労働契約法案が可決したとか、来年4月施行の「パート労働法」について行政が早くも告知を始めているとか、労働=職場をめぐる法規制の展開が見え始めた。年金記録問題にも一歩踏み込んでいる。

年金保険料未納、企業に対し国が請求権…与野党修正案

企業の未納保険料、国に請求権=厚生年金、特例法案で修正案

<年金特例法案>修正で大筋合意 与党と民主党

毎日の記事に≪被害事例数は不明だが、総務省の「年金記録確認第三者委員会」で審査中の厚生年金関連の申し立て約8500件のうち半数程度は同法案の適用対象になるとみられる。≫とあるところからすると、やはり第三者委員会の活動が芳しくない要因が企業による年金保険料の横領ということになる。健康保険料もまたそうであるはずだが、これについては読み取れない。

従前の与党案では、勧告しても払わないときは税による補填で解決するという、首をかしげる内容であった。尤も、魑魅魍魎とした世界であるから、また覆る可能性もある。

ところで、はじめから社会保険事務所が積極的に事業所を調査し、行政処分を抜かりなくしておればいい話なのだが、警察「署」、労働基準監督「署」と異なり、社会保険事務「所」、公共職業安定「所」はそれほど強行に執行する権力は与えられていないとみるべきである。
したがって、社会保険等の適用をめぐっては多くの国民が困ることになったものである。もちろん、国民はおろか政府、国会議員が今日ほど社会保険等に関心をもつようになったことはかつてない事態だが。