Archives

You are currently viewing archive for June 2009
昨日の建築情報専門サイトのケンプラッツの建築・住宅の中で邑楽
町コンペ訴訟が和解になったと報じられていたのですが、この結果
に付いては何となくスッキリしない決着だなぁ・・・。

詳しくは下記のサイトで見てもらうとして、この訴訟で何が残った
のだろうと言う疑問です。担当弁護士は引用始め-----「裁判所が
一定の範囲で原告側の主張を認めた点は評価する。だが、建築設計
者の職能や設計者選定のあり方などに対する社会の意識が、この裁
判だけで変わるとは思わない。今回の裁判を建築界と社会が議論を
深める一つの契機にしたい」 ----引用終わり。
と話しているようですが、この様な和解に応じて議論の契機になる
のだろうか?

今回の訴訟は著名な建築家が起した訴訟で注目もそれなりに有った
ので、建築家の職能に対する社会的な意識が少しは変るのでは?
と言う期待もあったのですが、この和解ではどうかなぁ?

山本事務所は小田原の城下町ホールでも苦労していて、小田原の知
り合い(建築関係では無い人)に聞くと、建築家に対する認識は建
築界から思うのとは大分開きが有るというのが感想で、今後の公共
建築のコンペの有り様がどうなるのか気に掛かる所では有ります。


ケンプラッツ記事
邑楽コンペ訴訟が和解
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20090626/533657/
09年06月30日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年06月27日

家を諦めない

いざ家を建てようと決心して、計画が進んで行った時に建築を諦め
なくてはならない羽目になった人がいます。

その時に私はちょっと待って下さいと言いたい。

諦めてしまう原因が法律的な事であるなら、解決の方法が見つかる
可能性が有るからです。

建築基準法の条文や各行政庁が定めている条例等には、多くの場合
但し書きが有ります。”これこれこのような事ですが、但し”とな
るわけで条文の前文には合致しない場合のセーフティーネットがあ
る訳です。

そのような場合には、各行政庁が認めた上で、建築審査会と言う個
別の事案に対して審査を行って、同意が得られると、最終的に許可
となり、確認処分が可能となるわけです。

今までに相談を受けた、計画でその様にして家を造る事が出来たの
が何件か有ります。計画を諦めるのは、そこまで行動した後でも遅
くは無いと思います。
09年06月27日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月26日

断熱の効果

一昨日は昨年引き渡した御宅の「残想の家」(このブログには登場
していませんがウェブサイトの今までの仕事に掲載していますので
そちらで確認出来ます。)に伺いました。

このお宅は2階スペースを小屋裏まで大きくして空間を大きく取り
屋根断熱とした家です。1年間住んだ感想は、天井がフラットで無
いので屋根からの熱気を心配していたのが、断熱効果抜群で昨年の
夏は想像していたより熱くならなかったとの事。

こちらとしては裏付けが有っての事なので当然といえば当然ですが、
こればかりは実際に住まわれる方の感覚なので、お話を伺うまでは
安心が出来ない事なので、実体験の感想が良好だったのは嬉しい限
りです。

その様な室内環境だったので昨年の夏はあまりクーラーを使わず済
んだとの事、これで少しはCO2排出量の減量に寄与したのではな
いでしょうか。
09年06月26日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月25日

動画の効用

世の中の変化は様々ですが、裁判員制度が始まり、以前から議論は
有りましたが呼応するように警察の取調べの問題から取調室の可視
化の事が取り沙汰されえいます。

建築界では耐震偽装問題が発生して依頼、建築中の工事現場に居住
者となる、マンション購買者に、現場見学を行うなど、出来上がる
と見えなくなってしまう所の可視化に努めている会社も出てきまし
たが、それとて躯体が出来上がってからの話で、それ以前の現場見
学は難しいようです。

個人住宅の場合は何時でも現場を見る事ができるのでそのような問
題は有りませんが、多くの場合、建築主が家としての感覚が持てる
ようになるのは壁等が出来上がってきた時点の事で、それ以前は見
ていてもよく判らない?との事で記憶に留まる事は少ないのが現実
です。


20090625_01.jpg

(画像をクリックすると動画(AVI形式)に成りますので、音声に気を
付けてください。)

建築は基礎が大事とは誰も考えますが、基礎以前に地盤が大事で、
地盤調査の結果、補強が必要になった時に地盤補強をしている様子
を動画に納めるのも監理上有効な手段と考えて、我が事務所では動
画にして建築主に配信しています。

当然ですが、写真での報告はしていますので、両方合わせて何時で
もフィードバックが出来ると言う訳です。
09年06月25日 | Category: 工事
Posted by: shimasekkei
09年06月24日

点と線

20090624_01.jpg
今朝の世田谷は雨降りなので、歩いての
通勤となりました。そんな通勤道の途中
に以前何回か此処に出てきた土地が有
るので、歩いていると丁度良い速度なの
で、その後の写真を1枚撮って並べると
こんな具合に成りました。




20070301_01.jpg 20080815_01.jpg 20080703_01.jpg

この敷地は瓦屋根の家と戦後住宅のフラット屋根に見せる為に軒先
を厚くした住宅との2棟が建っていたところですが、その後整地さ
れ、現在では5宅地の敷地分割がされたようです。

そんな過去の記事に出てきた写真と現在の様子がこれ、街の様子は
この様にして少しずつ変って行くと言うお手本のような様子です。
20090624_02.jpg

09年06月24日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月23日

建築面積の計算

確認申請が民間に開放される以前の時、役所の担当者と建築面積の
事で大激論になった事を思い出しました。

20090623_01.jpg(外断熱ではない壁)

20090623_02.jpg(外断熱の壁)

建築基準法によれば、「建築面積は外壁又はこれに代わる柱の中心
線で囲まれた部分の水平投影面積による。」とされていて、木造軸
組み工法の時には柱の中心線で計算するのが一般的です。

軸組み工法でも外断熱の場合には柱の外側に断熱材を貼るために壁
の厚さが外側に厚くなります。担当者はその事を指摘して、面積を
柱の中心線ではなく、壁の中心線で計算するべきだとの指摘です。

基準法の条文からすると間違ってはいないように思われるかも知れ
ませんが、法律は条文通りにならない事も多々有り、工法は日進月
歩ですから、条文だけでは判断できない事もあるため、そのような
場合には建設省(当時)から通達と言う物が出されています。

建築面積の計算の方法も通達が有り、その時の外断熱の時の面積の
計算の仕方の指針が出されているのですが、その担当者はその通達
ではおかしくなると言う判断でした。処分権限者の考えに異を唱え
る事は確認が処分されないという事ですから、多くの人は担当者の
意見に従うのかも知れませんが、こちらとしては、納得が出来ない
為に大激論になったという訳です。

細かい話は除いて、結論を言えば、こちらの主張が認められ、図面
の修正を行わずに済んだのですが、何だか無駄な労力を使ったよう
な感じでした。

09年06月23日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月22日

壁の効果

壁と一口に言っても、実際にはその高さによって、効果が違って来
ます。

20090622_01.jpg

画像はバルコニーのところの画像ですが、壁の高さが左右で違って
いますが、一方を目線より高くして視界を遮る事により一方に視線
を誘導する効果があります。
そして高い壁を利用して物干しが出来るようにすると、全方位で同
じ高さで物干しを設けた時と違った、安定感が生まれ、合わせて
洗濯物と壁が一体として感じられる為に、猥雑さの解消にもなると
言う一石二鳥の効果が生まれています。

09年06月22日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
昨年の11月にウェブサイトのリニューアルを思い立ってから半年
が過ぎてしまいましたが、ようやく昨日データアップする事が出来
ました。

 20090621_01.jpg

今回は目に見える所のリニューアルも有りましたが、システムの見
直しをしたために、大分時間が掛かってしまいました。
以前はホームページ作成ソフトでサイトの運営をしていたのですが、
そのソフトも日本の販売会社が転々として現在はどの会社が扱って
いるのか判らなくなってしまったのと、ファイルが自動作成される
部分が多く、出来上がったファイルに余計な記述が有って将来的に
不安が出て来たために、根本的に作り直さねば、と思って、基礎か
ら作り直して見ましたが、読んで頂いた方にどのように評価される
のか、ちょっと心配な所も有るので、宜しかったら読後感をコメン
ト送ってくださいね。

まぁ、そんな訳でしたので昨年の記事を読んで頂いた方には忘れた
頃のリニューアルとなってしまいましたが、今後もご贔屓いただき
ますよう宜しくお願い申し上げます。

さぁ、週明けから再出発だ・・・。
09年06月21日 | Category: 日記
Posted by: shimasekkei
09年06月18日

児童公園

住宅街のあちらこちらに児童公園が有って、そこには滑り台やブラ
ンコ、鉄棒などが設置されていて、子供たちが遊ぶ姿を良く見れて
ほほえましい気持になるのですが、あまり見ていると何やら不審者
扱いされるのではないかと、変な自制心が働いてしまいますが(笑)

20090618_01.jpg

この様な公園も世田谷にも多く見られますが、先日TVの報道バラ
エティ番組で全国の公園で、このような遊具の事故が起きていても
財政難で修理が出来ないという報道がされていました。

私が都市デザインモニターに参加している頃、公園の有り方が画一
的であるとの思いから、それぞれの公園が自由な発想で造れないの
かと指摘をした事が有りましたが、同じくモニターとして参加して
いた公園デザイナーの方の話では、公園には施設設置基準があり、
公園遊具の設置もブランコや滑り台は必須項目で、これを設置しな
いと、国から補助金が出ないと言う事でした。

補助金で公園を造ったのはいいが維持管理費が捻出できないとは、
子供にとっては迷惑な話で、子供を主体にした公園造りを補助する
制度は無いのが現実のようです。
09年06月18日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年06月17日

秋葉原

20090617_01.jpg

秋葉原と言う街には、ある思いがあります。昔ラジオ少年だった頃
ここは宝の山の街で、両手を広げた程の幅の店先で電子部品を販売
していて、そこに配線図と買う部品リストを手にして、よく買い物
に来ていたものです。

時代は変り今は秋葉原と言えばオタク文化の根源地となり「萌え」
と言われる言葉が出て久しいけれど、考えてみれば、昔からラジオ
を組み立てるなんて言うのはどちらかと言うとオタク的なものだか
ら、今はその延長線にあると言えるのかも知れない。

そんな秋葉原が再開発されて昔の面影が消えつつある訳ですが、街
と言うものを考える時に、そこに人の居場所が有るか否かが重要だ
と考えます。

再開発されて出来た街に訪問者は居場所を見つけ辛く、よそ者扱い
されているような疎外感を持つのですが、未開発の場所は猥雑で清
潔感に欠けるような場所なのに安堵感が漂っているように感じます。

都市計画と言うスケールが人間一人一人を消している結果の場所と、
未だヒューマンスケールが残る未開発の場所と、両方を体験できる
のが、この街の現在の姿なのだと感じます。
09年06月17日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年06月16日

大工

1974年(昭和49年)に枠組壁工法、俗に言う2x4(ツーバイフォー)
工法が制定され、1974年に旧建設省の肝いりで財団法人・日本ツーバイ
フォー建築協会が設立されて日本に枠組壁工法が普及してきたのですが
工法が普及したのと同時に工事における考え方もそれまでの物とは変化
して来ました。

日本が長年に渡って培ってきた技術とは違う物なので、優劣は付け難い
と思っていましたが、以前ある現場で、応援の大工が作業していて、彼
の担当した所の出来があまりにも悪いので、現場担当者に是正指示を出
した事が有ったのですが、その時の現場担当者の言い訳が、その大工は
2x4専門の大工なので。指摘されたよう事になってしまった。と言った
のには少し驚かされた記憶が有ります。

20090616_01.jpg


技術の個人差だろうと思っていましたが、在来軸組工法を専門にしてい
る大工の話を聞くと、自分たちは2x4の住宅の施行は出来るけど彼らは
軸組みは出来ないだろうと言います。その言葉が現実となった訳ですが

最近では軸組工法の大工でも大壁仕上げが多くなったために、真壁和室
を設計した時など、注意が必要な時代に成っていることも事実で、同じ
に大工と呼ばれていても、その見極めは難しいくなってしまいました。
09年06月16日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月15日

目線の関係

人と話す時には目を見て話せとはよく言いますが、家族同士では、
目を見て話す事は少なくなっている家庭は多いような気がします。

それでも目線の高さを揃えるように設計することは有って、床座と
椅子座では目線が揃わないために、和室と言うか畳敷きの部屋を居
間と一体として使用する要望が有る時など和室空間の床を高くして
目線が揃うような提案は一般的です。

この頃はオープンキッチンが好まれていて、キッチンセットを囲ん
で家族が団欒するような形態も、以前では女性が嫌う事も多かった
のですが、今では抵抗感が無いようです。

その場合立っている人と座っている人の目線が揃わないので作業側
の床を下げる提案をするのですが、採用される例はあまり多くあり
ません。目線をそろえた方が良いと思いうのですが、どうしてなの
かはっきりとした理由は聞いた事が有りません。
09年06月15日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月13日

外断熱余話

建築資材も日進月歩で日々新しい製品が出てきてどれを採用したら
よいか迷う事も有ります。

最近の地球温暖化による省エネへの関心が高いことから断熱に関す
る製品も、単なる断熱材では無く遮熱であったり真空断熱だったり
と多種多様です。一般的に外断熱は断熱効果があると思われてか、
外断熱を強調している製品が目に付きますが、一般の人は冷静に見
極めて欲しいと思うのですが、やはりイメージ先行でしょうか?

そんな外断熱を詠った製品の紹介を受けたので、製品サンプルを取
り寄せ内容をよく確認したら、これって外断熱になるの?
断熱材と構造体に室内からの湿気を排出するための隙間が必要にな
る物なので、設計する時にこの製品はちょっと使えないなぁ。

使える製品に出会うのは結構大変な事です。
09年06月13日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月12日

接地

慣れてくると疎かになる事は良くあることで、電気製品の接地もそ
の1つに挙げられます。

接地は一般的にはアースと呼ばれていて、電気機器や電子機器を基
準電位点に接続すると言う意味で、接地と言いますが、その基準電
位点を大地にする事が多いためにアースと言われるのが一般的に
なったようです。

その接地は洗濯機などは濡れた手で触ると感電すると言う事がよく
知られているので多くの人がコンセントの近くの接地点に接続する
のですが、その他の電気製品で接続しているのを、あまり見る事は
有りませんが、ご自分の家は如何ですか?

20090612_01.jpg

接地が必要な機器は、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ等で
す。そのコンセントの近くにある接地点の先は写真のように外部の
地中に接地棒を埋めて有ります。
09年06月12日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月11日

街路樹

我が事務所の近くに東京都の公営団地が有り、そこの街路樹の雰囲
気が丁度良い具合です。

20090611_01.jpg

青山の表参道に有った同潤会アパートの再開発計画の時に街路樹の
高さに合わせた現在の表参道ヒルズの建築計画を、安藤忠雄氏が力
説していましたが、此処の風景もそれと同じように、集合住宅の高
さと街路樹の高さが同じような高さになっています。

この通りを見通した時に無機的な四角い箱の団地建物が視界に入ら
ず、団地計画から来る道路と敷地との距離も取れていて、現在は丁
度良いスケール感が保てている状態です。

20090611_02.jpg

これで、建築がもっと何とか成っていたら良いのにとは思いますが
量的確保を目的とした時代の建築なので、仕方が無いですが、そん
な建築をこの欅によってうまく雰囲気が出されている訳です。

この場所は、先人が言った「家の緑は七難隠す」と言う言葉を実感
できる場所です。

09年06月11日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月10日

自分らしい家

個性的にとか個性を大事に、と言われて、自分らしさを演出した服
を着たり小物を持ったりしていますが、家の事になるとどうして没
個性になってしまうのか判りません。

20090610_01.jpg

家は「一生の買い物」などと良く言われるますが、この言葉に落と
し穴が有るようです。元来、家は買う物では無くて建てる物という
のが一般的な考え方でしたが、高度経済成長期の頃から量的な確保
を目指した為に需給バランスが崩れ、注文を受けてから建てる図式
では間に合わないため、建てた家を売る図式に変ってしまって現在
に続いていて、何時の間にか、自分らしい家を建てると言う事を忘
れてしまったようです。

建てられた家では自分の生活様式や生活設計にマッチしているとは
考え難く、自分を家にあわせているイメージを持ちます。
関東圏では長屋は人気が無く、関西圏では長屋に対するアレルギー
は低いというのが不動産業界の認識で、関東圏では敷地を無理して
でも分割して、戸建て住宅にする方法が良く行われますが、同じよ
うな外観が並ぶ戸建て住宅を見ると、戸建ても長屋も大して変らな
いなぁ・・・。と感じてしまうのでした。
09年06月10日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
サステイナビリティ(Sustainability )と言う言葉が言われて久
しく、現在色々な所で使われていますが、現在の概念としては持続
可能と言う事の意味として、循環可能と言う事で使われている感じ
です。

サステイナビリティを可能にする方式としてスケルトンインフィル
と言う構造体と内部造作・設備とを別けた共同住宅の考えで、
スケルトンの構造体を定期利用権として権利を持ち、内部を利用権
者が自由な間取りを造り、利用権者が変れば新たに内部を作るとい
うやり方で循環してゆくと言う物です。

この方式の発想は元建設省の小林秀樹氏が提案して、その1号棟が
筑波市に作られたことから「つくば方式」と呼ばれています。

この方式の理念は構造体の長寿命化によるスクラップアンドビルト
からの脱却と郊外へ拡散してゆく住宅を抑制したコンパクトな街づ
くりと言われていますが、現在販売されているマンションや200
年住宅に見られるスケルトンインフィルはこの理念に沿って出来て
いるのか、疑問を感じています。
09年06月09日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月08日

私道の不思議

住宅街を歩いていると写真のように道路に障害物を作って車を通ら
せないようにしている光景に出会うことがあります。

20090608_01.jpg

建物を建てようとした時にその敷地が道路に接していなければなら
ない事は何度も書いているのでご存知だと思いますが、敷地に道路
が面していない場合には道路を造ると言う方法が有ります。
この道路は建築基準法上の道路ですが、基準法の道路は車の通行が
できるように4m以上の道路の幅が必要とされてるので、車の通行
が前提だと思っていたら、障害物が造られている。一体これはどう
した事か? と、聞かれた事が有りました。

道路を造ると言うのは位置指定道路と言って道路形態を造り行政庁
に許可を受けて成り立つ道路で、一般的に私道と呼ばれていますが
この道路の敷地の権利を行政に移管すればこの道路は公道となり
道路管理は行政が行いますが、権利を移管しない場合は所有者の管
理なので車両の通行を制限できると言う事でこのような障害物を置
いて通行制限をしても構わない訳です。

しかし厳密に言えばこの通行の制限にも色々とあるようで、判断が
難しくこのようなことで裁判沙汰になる事が有るようです。
09年06月08日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月06日

世襲

この頃、政治の世界で世襲論議が、かまびすしいと言った状況です
が、それとて、何やら自分達の地位確保の為の論議のような気がす
るのですが、皆さんは如何ですか?

そんな世襲論議を聞いて、自分が身を置く建築界を見てみると、結
構世襲と言えるかどうか判りませんが、2代目3代目の人は居ます
ね。九州大学大学院教授の土居義岳教授のブログでは昔のフランス
の建築家は世襲が普通の事だと書かれていますが、現代では単独の
建築主で建築家として成り立つ職業では無いために、世襲をしたと
しても、必ずしも安定した地位を確保できるとは限らないのが現代
の姿。その中で世襲をして一線で活躍している建築家は凄いなぁ。
とは感じます。

世襲の話で、建築界で驚いた事が有りましたっけ。一昨年に世界的
な建築家の黒川紀章氏が亡くなられて、さて、あの事務所は今後誰
が運営してゆくのだろうと思っていた時に、
建築雑誌に写真家の息子が社長に就任したと言うインタビュー記事
が載っていた事が有りました。
30、40はヒヨッコで、60からが一人前と言われるこの世界で
いきなり社長に就任とは、これぞまさしく世襲の見本のような出来
事では有りました。


09年06月06日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年06月05日

式台

日本の住宅の特徴の1つに靴を脱いで室内に入る事が有り、その場
所が玄関です。その玄関のホールの床から一段下がった床を「式台」
と言います。

20090605_01.jpg

その式台の名前の由来を調べると元は「色代(しきだい)部屋」と
言い、桃山時代辺りの書院造りから見られ、公式の来客を向かい入
れる部屋が有り、その部屋が段々と簡略化されて板敷になり、名称
も玄関拭板などになり今の式台にと変化したと言う事が判ります。

元来、色代(しきたい)はあいさつの意味が有るので、挨拶をする
場所と位置付けらた室名だったのですね。

現代に残る建築の部位名称も歴史を感じさせる物が有ります。
09年06月05日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月04日

工事現場の事故

最近建築工事現場での事故が続いている感じで、今、建築工事現場
で何が起きているのか、他人事では無い状況です。

建築工事は危険と隣り合わせの仕事なので現場には「安全第一」と
いうスローガンが掲げられています。(この安全第一の事には過去
の記事の「思い出す」で触れています。)その言葉が現場員夫々が
意識しているのか、疑問に思われかねない現象です。

兎角、仕事に慣れてくると、此処までは大丈夫だろう?と、経験か
ら推量する事を見ますが、そこに落とし穴が有るのだと、自分が監
理をする建築現場で注意をするのですが、判っていると言う態度を
取られる時など、知っている事と判っている事とは違うんだぞ!と
つい、声を荒げてしまう事も有ったりします。

耐震偽装事件以来建築界全体が何か弛緩しているような印象を持た
れるのでは無いかと思われるこのような事故に、工事現場では更な
る緊張感を持って欲しいと思うのでした。


09年06月04日 | Category: 雑感
Posted by: shimasekkei
09年06月03日

出窓の作法

私が以前、外国人専用賃貸住宅を設計した時の事、出窓に対する考
え方が日本人とは180度違う内容で住宅と街との関係を改めて教
えられたと言う事が有ります。

20090603_01.jpg

住宅の計画段階で出窓の要望が有る場合に、室内側から考えた要望
が殆どです。曰く、部屋が狭いので広く見せたい、とか、出窓に物
を置いて飾り棚として使いたい等です。

欧米人の場合には、街行く人の為の飾り窓としての要望で、出窓に
物を飾る場合にも、室内側を意識して置くのではなくて、表側を意
識して物を置くと言う考え方です。ですから、カーテンも出窓の面
に添わすのではなくて、室内壁面に取り付ける付け方でした。

色々な文化や様式が取り入れられて来ていますが、感性までは取り
入れる事は有りませんね。
09年06月03日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
09年06月02日

法律で違う床面積

建築基準法では住宅等の小屋裏に使われる部分の床面積に入れるの
か否かは、天井高1400mm以下にした場合その階の1/2までの場合は
床面積に算入しない事となっていますが、他の法律では少し違いま
す。

20090602_01.jpg

その法律とは不動産登記法でその附則に不動産登記事務取扱手続準
則と言うのが有って、その中に(建物の床面積の定め方)と言う条
文には「天井の高さ1.5メートル未満の地階及び屋階(特殊階)は,
床面積に算入しない。」と書かれています。

あれっ?建築基準法と違う!

法律には、このような事が有るのです。
09年06月02日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
今日は、先日あるコンバージョンの話の相談を受けたので、その詳
細を伺いに、都内某所へ行って来たのですが、久しぶりの朝の通勤
時間帯の電車なので混雑をそれなりに覚悟していたのですが、そん
な事を気にすることも無かった、という程度の混雑ぶりでした。

20090601_01.jpg
(写真はこのところの雨で一気に咲いた気がする、今朝の紫陽花)

そんな感じで目的地に着いて、早速の相談となったわけですが、今
回の計画は、行政の建築課だけで済む話ではなくて、他の課が幾つ
も絡んでくる内容だったので、話を整理するのに結構時間を使う結
果となってしまいました。

話の内容はお話できませんが、このように建築に絡む事で相談をし
に来られる場合、自分で役所に行って相談して、その結果どうしよ
うも無くなってから、私の所に来るというケースが多いです。

そのような場合、役所が一度判断した結果を覆す事は難しいので、
出来る事も出来なくなるケースも有ると言う事を含めて、専門家に
相談する時は早ければ早いほど良いですよ。と、アドバイスして別
れたのですが、さて、これから、役所へのアプローチを念入りに検
討しなければならない週始めです。
09年06月01日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei