厚生年金特例法

結局またひっくり返って戻った(微妙に一歩進む)。年金保険料の徴収が、また一問題なのである。昨日の関連記事。年金に関し国民の関心が薄かった期間が長く、政府も軽視していたことが一番の原因だが、会社もまた同様である。ただ、不幸にも倒産した場合に、特別徴収のかたちで完納となるケースも多いと思われ、実被害は少ないのではなかろうか。だが、この記事のような処理であれば、その記録は実態でないものが正当なものとなる。

簡潔な説明の社会保険庁ホームページから

条文は読みにくいが、法律解釈で難しい点がある。

第一条一項但し書き
「ただし、特例対象者が、当該事業主が当該義務を履行していないことを知り、又は知り得る状態であったと認められる場合には、この限りでない。」

趣旨からして絶対的に近いかたちで記録は回復されるとみうけられるものの、黙認とみなされると駄目だということである。これは日本的労使関係にあってはかなりの障害である。個別労使紛争も同じだか、障害といっていては何も解決しない(しかし泣き寝入りは楽)。日本的労使関係も一部では完全に崩壊しているが、まだ多くは残っている。最近私は山本七平をまた読み出したところだが、今の所個々の事案ではいったんは労使関係の破綻が避けられず、そして回復の道筋ができればと願う。

〔参考〕
本法では次の規定がある。

≪(確認の請求)
第31条 被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、第18条第1項(註−資格の取得、喪失のこと)の規定による確認を請求することができる。≫

このいつでも被保険者又は被保険者であつた者は確認請求権があるのだから、それを行使していない以上保護されるものではないという司法判断がたまに下るときがある。