「同業者とつき合っているようじゃ、仕事はうまくいかない。同業者は敵なんだから」
しごく当り前のことだ。しかし、この当り前のことに、まったく気づかない人は多い。
だから、すごい発想で強い経営を伸ばす経営者は、同業以外をよく見ているものだ。
たとえば、かつてトヨタは、業界とはまったく関係のない流通業界を見ていた。つき合うというより以上に、よくよく畑違いの業界を、つぶさに観察していた。
そして気付いた。
  ?客は欲しい時に来店する。
  ?欲しい物を買っていく。
  ?欲しい量だけ買っていく。
その上で、「工程を、お客さまと思えばどうなるか?」と考えた。
ところが当社では、
  ?客(工程)が欲しくもない時に、
  ?欲しくもない加工品(仕掛品)を、
  ?欲しくもない量だけ流している。
だから工程間に、山ほどの中間在庫ができる。
よし、ここにメスを入れれば、在庫コストは減らせる。このように着眼して、トヨタ式のコストダウンを成功させたのである。
あなたは、畑違いの業界や人と、交流がありますか。傍目八目で物事を見ていますか。
06年10月02日 | Category: profile
Posted by: mao
 ある小さな商社がある。商社だから営業部門要因が6割を占める。とはいっても20名ほどだが。営業マンたちは準備が終わった順に、個々に出かけるが、女性社員たちは黙々と仕事をしている。誰がいつ出かけたかも知らない。風のごとく出かけ、風のごとく戻ってくる営業マンたち。どうも組織の一体感が乏しい。営業部門は稼ぎを直接持ち帰る働きバチだ。留守役の女性たちが、「行ってらっしゃい」と声の激励でもしたら、彼らの気持ちやヤル気はどうなのか。
社長に提案した。「朝は、“行ってらっしゃい”と声の見送りをする。夕方帰ってきたら、“お疲れさまでした”と声の出迎え。営業マンたちも、“行ってきます”と元気よく出かけ、“ただいま”といって帰社する」
社長も大賛成。早速実行することにした。実行してもう10年になる。完全定着。
 たまたま朝から訪ねてきた来客が、しみじみと社長に語ったそうである。
「おタクの会社は、活気がありますね。“行ってらっしゃい”といって、女性の皆さんが営業の人たちを送り出していらっしゃいますが、いやあ勉強になりました・・」
こんな簡単な組織活性策を、やっている会社はめったにない。「小事こそ大事なり」
06年09月19日 | Category: profile
Posted by: mao
 A社の会社の全営業所は、去る6月から一斉に会社組織に変わった。東京営業所を皮切りに、福山、大阪、北九州、広島、仙台の6営業所である。新社長はもちろん、いままでの営業所長である。
 サラリーマンにとって、課長や部長という肩書きより、社長という肩書きに、感動に近い喜びを感じるものである。実力を別にした形式的な面だけだが、社長という肩書きには、やはり感動するようだ。
 A社の場合は、営業所長から社長に昇格したあと、彼らと会ってみると、彼らに前向きな変化を多く見ることができた。単なる精神的な喜びにとどまるものではない変化だ。
北九州の新社長は、「小さな会社の経営学」という本を読み、勉強していた。読書嫌いの男が、まるで別人のようにサマ変わりしていた。広島の新社長は、「参考書を教えて欲しい」という。この男の行動も、過去には考えられなかったことだ。
 まだ新会社に移行して短期間だから、業績向上に関して成功とは断定できないが、成功の予兆といえるものは、営業の数字に見ることができる。
全営業所、いや全新会社の売上高が、7月だけという短期間ではあるが、前年同月比で5%も伸びたのである。過去の例年の7月に、こんなに伸びた例はない。
5月から施行された新会社法、大いに活用したらいいと思う。
06年09月04日 | Category: General
Posted by: mao
 観察するのを「観る」といいます。物事を深く読み込むようにみることです。
 視察するのを「視る」といいます。いろんな物事に幅広い関心を寄せてみることです。
 「見る」というのは、見えているからみる。心に残りません。「そんなのあったっけ?」という程度のみるです。
 昭和29年。まだテレビも家庭にない頃。本田技研(ホンダ)の本田宗一郎社長は、ヨーロッパ旅行から帰国。空港で出迎えの幹部に言いました。手のヒラに乗せた小さなネジを見せながら、「みやげはこれだけだ」と。
 そのネジのヘッドには、十文字のプラスの溝が刻まれていました。いまは当り前のプラスネジです。
 このネジのお陰で、自動締結機で一瞬にして、カーッとネジ締めができるようになりました。生産革命です。
 本田さんが、視たり観たりしながら持ち帰った宝でした。ところであなたの目は、視る?観る?それとも?
06年08月17日 | Category: General
Posted by: mao
●発想の転換には、習慣の転換が先行すべし
 トップ交替で業績が回復するのはなぜか。それは簡単だ。“発想や判断”が変わるからだ。
 ところが中小企業は、株式公開の大企業が大衆の会社(パブリック・カンパニー)であるのに対して、会社はおれのものだ(マイ・カンパニー)という、資本と経営の一心同体企業だから、ここに問題がある。
 ということは外部の者が見て、「この会社は、ここが問題だ」と、客観的にメスを入れるべき死角を把握しても、「当事者でない人間が何を言うか」といって、経営者は耳を貸さない例が多い。
「その戦略は危ない。こうしたほうがいいのに・・」と助言しても、経営者は、「いやそうじゃない、おれの考えがいちばんなんだ」といって、行く手に地獄が待つ方向に突き進む。
こういう問題は、中小企業には昔もいまも、わんさとある。
 では、業績が停滞した中小企業の場合、どうすれば業績の回復が可能なのか。
いうまでもなく経営者自身が、「過去と訣別し、発想と判断基準を変えること」にほかならない。
 ところが、これがなかなかむずかしい。
発想の転換に成功した人には、まず習慣の転換に挑んだ人が多い。
経営者の発想転換に役立つ習慣の転換を、先人の例から紹介しよう。
  ?マイカー通勤を週2電車通勤にした。
  ?従業員の家庭訪問を始めた。
  ?幹部会議に、男女の一般社員を交替で参加させるようにした。
  ?外部に依頼して、社員の勤務意識調査をした。(「あなたは、今後も末長く会社で働きたい
   と思いますか?」というような質問をする)
  ?異業種に人脈を求めるため、セミナーに参加するようになった。
  ?初めてミュージカルを見にいった。
  ?毎週1回を自転車で通勤するようにした。
  ?社内に、“社長への直通ボックス”を配置し社員の直訴を受けるようにした。
  ?課長以上の幹部を毎月、2名自宅に呼び夕食を共にするようにした。
  ?出張先では、その地方の新聞を読むようにした。(いままでは読み馴れた新聞に固定して
   いた)
                                      
【例】ある社長は毎週1,2回を、マイカーをやめ電車通勤に切り替えた。
 ところがある日車内で、サラリーマンたちの雑談を耳にした。
「“午後の紅茶”という商品ね、あれは女子社員が思いついたんだ。その新商品を、最初ダメだといった上司は、これがヒットしてから、大いに自分を反省したというんだ・・」
自分自身にも、“女の子が・・”という多少侮りの意識があり、有能だと思っていても、女性を部課長にすることをためらっていた。が、それから数ヵ月後に、この会社にも一人目の女性課長が誕生した。
 金属加工業のこの会社でも、女性たちの提案で、台所用品の新商品が生まれ、しかも採算商品として会社の業績に寄与するまでになった。それ以上に会社の活気が、以前とは比較にならないくらい、生き生きしてきた。
社長がもし電車通勤をしなかったら・・・。
06年08月01日 | Category: General
Posted by: mao
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