いずれの会社でも優秀な幹部社員を望んでおられますが、人材が育つ土壌が存在しているか否かが重要です。その基本となるのが魅力的なトップの存在です。

 人が人を認めるにはそれなりの理由があり、TPOに合わせて必要な条件も違います。一般的に中小企業における幹部社員が自ら付いていきたいと思うトップに共通する魅力は、おおむね次のような要因ではないでしょうか。

(1)
方針が首尾一貫しており、当初に策定した経営方針を状況の変化に応じて臨機応変に実現していく経営姿勢が明確である。

(2)
社員に対する公平さに明瞭さがあり、身内と他人の社員を公私混同しない。

(3)
幹部社員を信頼して仕事を任せ、常に報告内容の検討によって、適切な指示命令をタイムリーに行う。よって、幹部社員からの意見を積極的に受け入れる。

(4)
仕事で問題が発生しても、決して頭ごなしの叱責ではなく、常に沈着冷静に今後の問題解決を一緒になって考えて結論を導き、時には共に行動する姿勢を持って最後まで仕事の成果を追求する姿勢を持っている。

(5)
仕事の成果に対する信賞必罰を本人と一緒になって考え決定していく姿勢を明確に持っている。

(6)
その他・・・・・・・・・・・・

 中小企業では人材育成に関する施策と内部の専門機関が不足しているので、とりわけ経営者自身の現場教育が中心となって人材育成が進んでいます。したがって、経営者の恣意性や人格的要因によって人材育成が大きな影響を受けてしまいます。

 また、NHK大河ドラマの風林火山において、武田信玄に進言する武将の諫言を聞き入れていく度量の大きさが問題となるシーンが随所に出てきます。中小同族会社において部下が社長に諫言する土壌を作っている経営者は少ないし、仮にあっても社長自身がうるさがってしまうことは数多く見受けられることです。
 
 しかしながら、経営者が真剣に会社のことを考えて行動できる幹部社員を望むならば、経営者自身に対する諫言を積極的に受け入れる自己研鑽を積み上げていく努力も必要なことだと思います。

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