経営承継円滑化法に伴う民法の特例について
〜「除外合意」「固定合意」と「遺留分の放棄」〜

 円滑化法において、後継者が旧代表者からの贈与等により取得した特例中小企業者の株式等の全部または一部について、以下?または?の合意が出来るようになる予定です。これらの合意をすることにより、株価が上昇した分の遺留分の請求を防ぐことが出来ます。

1.遺留分の対象から除外すること(これを除外合意といいます)。

2.遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を、その合意の時における価額に固定すること(これを固定合意といいます)。

これに対して・・・

 円滑化法の合意がない場合、株価が上昇した際の遺留分の請求を防ぐには、遺留分の放棄が必要になります。民法における現行の遺留分の放棄は、遺留分を放棄する人全員の個別の申し立てが必要でした。円滑化法の規定する民法の特例による合意の場合、放棄する人全員の承認は必要ですが、後継者が単独で一括して申し立てが出来るという点では、手続きが大幅に緩和されます。

ポイント・・・

 旧代表者が後継者に株式を生前贈与した結果、後継者の株式が50%超になる場合に、遺留分に係る一定の合意を民法の特例として認めるしくみであるため、合意前に後継者がすでに50%超の株式を保有している場合には、民法の特例は適用されません。ただし、このような場合であっても支援措置や納税猶予の要件に合致すれば、これらを受けることはできますが、納税猶予額はあくまで議決権の2/3までです。

まとめ

1.贈与後に過半数の議決権を取得・・・納税猶予、民法特例、支援措置すべて適用可能

2.贈与前に過半数の議決権を取得・・・上記のうち民法特例のみ適用不可

 ※1・2どちらの場合でも、納税猶予の対象となるのは議決権の2/3までの要件あり

文責 北九州支店


にほんブログ村 士業ブログへ
↑↑ランキングに参加しています。クリックをお願いします。

Pronet Group HP
↑↑弊社ホームページもぜひご覧下さい。




なかのひと