3.やりたいことはたくさんあっても、今やれることは1つしかない
(1)仕事のスピードが生命線
  日本のビジネスマンは欧米に比べて時間の概念が間延びしている、とよく言われます。欧米諸国は大陸の中の隣国との侵略戦争に遭遇してきた歴史的背景があることなどから、周囲の動きに極めて敏感であると指摘されています。日本のように島国で村社会が存在していた歴史的背景においては、足並み揃えた常識的な対応が許されてきました。しかし、高度情報化社会となり、自分の知らないところで情報が先走りする現在では、仕事のスピードは同業他社に対して必要な差別化要因となっています。国際化社会に遅れないためにも、地域を越えた競争に取り残されない為にもあらためて即時対応を企業命題としなければならないでしょう。

(2)優先順位ベスト10に絞る
  仮に仕事の課題の優先順位を今日つけても、一週間後にはまた別の課題が入れ替わって発生します。一ヵ月後もまったく違った内容が登場してきます。従って多くの課題を解決しようと思っても、永久になくなりません。中途半端に問題解決を進めるくらいならば最優先課題を上位に絞って期限を切って短期間に解決するほうが利益体質の会社を創るうえで重要です。

4.商品は売り込んでこそ売れる
  お客様が満足したら商品は必然的に売れるという妄想があります。しかし現実にはいかにお客様に対して演出効果を出して積極的に商品を売るか否かで儲かる会社になるかならないかが決まっています。新商品の開発やユニークな商品の仕入れ、発掘、あるいはお客様が買ってくださるように見せ付けていく店頭販売の手法など、その全てがお客様が見つけやすくかつ買いやすい状態でポジショニングを行っているようです。これらのことから言えることは売り込む体制作りについて黒字会社と赤字会社とでは根本的に食い違っているということが考えられます。

5.構造改革には発想の転換がまず必要
  黒字会社は常に今までやってきたことを根本から見直し、いつもより新たな経営手法を探っています。この場合、邪魔になるのは固定観念です。過去の商慣習や既成事実などによって、お客様を忘れて会社の経営スタンスを押し付けようとするところに儲からない体質が出来上がっていくのではないでしょうか。自社だけを見て儲かる会社づくりはできません。あくまで同業他社との企業間競争に打ち勝つから黒字になるのです。同業他社がやることを同じようにやっても、選択するときの混乱をお客様に与えるだけです。このような落とし穴にはまらないためにも、市場の動向に強い関心を持って現実を直視することが必要です。発想の転換は強烈なショックによってしか生まれないのではないでしょうか。

【参考資料及び参考図書】
5月14日開催プロネットビジネスカレッジ『経営維新塾1』 井上 昭二
「新 なぜ儲からないか?」 あさ出版 木子吉永著
「利益を3倍にするたった5つの手法」 ビジネス社 大久保恒夫著


文責:井上 昭二


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