この不況期消費者は確かに購買欲を冷却させています。しかし、購買力をまったく持たないわけではありません。であれば購買欲を刺激すればよいのではないでしょうか。購買欲刺激策の立案に成功すれば、埋没需要を掘り起こすことは可能なはずです。そのためにもまずは消費者の種類と特徴を知ることが大事です。
 消費者は売上が計算できる「固定客」になるまでには幾つかの段階を踏みます。この段階を正確に捉えることは固定客を獲得する上で大事なことです。不況期に売上を伸ばすには、多くの固定客を必要とします。景気好調期は、売手市場ですから固定客を多数持たなくても流動客だけで相当の売上を確保することができます。しかし景気低迷期は、消費者が購入先の選択権を持っています。その意味では、どれだけの固定客を持っているかで競合の勝敗は決します。
 では固定客を多数獲得するには何が必要か、それには顧客の変遷を知ることが重要です。

1.期待客
 期待客とは、商品・サービスを買う 可能性のある消費者であるが、この人たちは自店で購入することは推測できるが、購入の可能性が定かでない消費者で、まだ顧客とはいえない。不特定多数の消費者をいいます。

2.見込客
 見込客とは、自社(自店)のアプローチ次第では、十分に顧客になる可能性を持った消費者です。この客は自店の商品・サービスを必要とし、それを購入する能力のある人たちで、自社(自店)の存在を知っているが、まだ購入したことがない消費者のことです。

3.購入客
 購入客は、自社(店)の商品・サービスを初めて購入した消費者で、固定客になる可能性は高いが、一方競合店や友人の勧誘に弱く、店離れを起こす確率の高い消費者で、いわゆる浮動客です。

4.固定客
 固定客は、競合店の誘惑に惑わされることもなく、ひたすら自社(店)を信用し、定期的に繰り返し購入してくれる最も歓迎されるお客です。よって多少販売に落ち度があっても対応が寛容で、売上が計算できる客層です。固定客は、商品・サービスの品質に信頼を寄せるだけではなく、店そのものの品格に高い信頼を寄せています。そして、固定客は、他人に購入を奨励してくれる有難い客層です。
 1998年の後半からアメリカ産業界で台頭した、新しいマーケティングの考え方であるカスタマー・マーケティングは、この固定客を獲得するためのマーケティングでアメリカ産業界には定着しつつあります。
 カスタマーとは、自社(店)を繰り返し利用してくれる客のことで、まさしく固定客のことです。購買力はあるが購買欲に欠ける消費者の消費動向を考えたとき、この固定客の獲得が、不況期に売上を伸ばす最大の条件ではないでしょうか。

文責 経理サポート部


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