同族会社の場合(多くはそうですが)、どうしても子息を後継者にしたいという経営者が多くいます。しかし事業承継の問題は、社員、とくに幹部にとって重要な事項です。
  安易な後継人事は避けなければなりません。中小企業の場合は、子息が本当に小さい子供の頃から古手の社員の人たちはよく知っているわけですから、成長して立派な大人になったといっても、やはり洟垂れ小僧の記憶を持っているものです。
  もし、後継者としてふさわしい能力と見識を備えた幹部がいるならば、子息に囚われて考えるのではなく、広く登用を検討すべきです。人間の能力は限りなく成長するものですが、子息にとっては父親の存在は厄介で重苦しいことが多いものです。父親を超えようと無理をしているのが傍目にもはっきりしているケースや、事業意欲よりも渉外や交際に一生懸命なケースもまま見受けられます。これなどは、社員にとっても子息にとっても互いに不幸です。子息も社員から幹部となり、そうした経験の中で皆が納得するようであればよい訳です。急いではなりません。会社にとって幹部は子息以上の価値を持っています。


  幹部とは、経営者にとって自分の分身です。思い通りに進むことは稀であるにしろ、幹部に対しては十分な時間をつぎ込んでください。この時間は細切れではダメで、10分のコミュニーケーションを24回とって240分にするより、一気に240分(4時間)を費やすように心がけることです。テーマを定めての合宿も実りがあります。
  幹部を育成するにあたって注意点があります。それは平等と公平とを履き違えないことです。機会は平等ですが、処遇は公平でなければなりません。平等な機会(チャンス)が与えられなければ、結果に差異が生じたとしても納得できないでしょう。また、成果が違うのに同一の処遇をしたのでは、これもまた納得できません。
  よい企業とは、将来を担う人が集まり、成長していける会社のことです。そして幹部とは、成長した社員なのです。昨今の経済環境の中、自社内での育成には限りがあるのも事実です。社内OJTも大切ですが、これはと思う人材を外部の風にあてることも重要になるでしょう。

  外部の風をうけ成長した人材は、会社にとって必ずプラスになります。育った人材には、仕事を任せることです。最終的にはチェックは必要ですが。まかせられた人材は、そこで責任感が生まれやらなければならないと思うと同時に、任せてもらった経営者との間に「自分を信じてもらえた」と信頼関係が生まれるのではないかと思います。
  経営者と幹部の信頼関係でうまれた共通認識こそ今後の企業経営に不可欠になってくるのではないでしょうか?

文責:ワンストップソリューション部


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