異なる業種を持つ会社の自社株対策として、その異なる業種同士を分離して、新しく会社を立ち上げることがあります。例えば、製造小売業を営んでいる会社の場合、製造業と小売業を分離して会社の財務内容を軽くし、評価を下げるような場合です。
このような会社の株式評価方法が類似業種比準価額を用いる場合、異なる業種を分離独立させる前に、少々検討しなければならないことがあります。それは、どの類似業種の株価を選択すべきかということです。なぜなら、同じ大分類の業種であっても、分類によっては類似業種比準価額が大きく異なるからです。従って、1つの業種で50%を超える売上高がある場合であっても、以下のような判定方法の決まりを踏まえて、株価対策を検討する必要があります。

1つの業種で50%超の売上高がない場合で、
(1)1つの中分類の業種目の中で、2つ以上の類似する小分類の業種目に属し、それらの業種の売上高の合計が総売上の50%を超える場合
→その中分類の中の、類似する小分類の「その他の○○業」とします。
(2)1つの中分類の業種目の中で、2つ以上の類似しない小分類の業種目に属し、それらの業種の売上高の合計が総売上の50%を超える場合
→その中分類の業種とします。
(3)1つの大分類の業種目の中で、2つ以上の類似する中分類の業種目に属し、それらの業種の売上高の合計が総売上の50%を超える場合
→その大分類の中の、類似する中分類の「その他の○○業」とします。
(4)1つの大分類の業種目の中で、2つ以上の類似しない中分類の業種目に属し、それらの業種の売上高の合計が総売上の50%を超える場合
→その大分類の業種とします。
(5)(1)~(4)に該当しない場合→大分類の業種目の中の「その他の産業」とします。
 上記の結果、小分類の業種に判定された場合は中分類の業種と、中分類の業種に判定された場合は大分類と比較して有利な方を選択できます(財基通181、財基通181―2)。
 
これらのことから、異なる業種を持つ会社の株価が類似業種比準価額で計算する場合は、どの類似業種の株価を用いるかが重要な鍵となり、会社分割の検討に加えて、もう一方の業種の売上げ動向や、場合によっては異業種合併をも含めて検討することが株価対策として重要になります。
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