多くの経営者が「断腸の思いで決断した」という表現を使いますが、よく聞いてみると「それしか選択肢がない」という状態でゴーサインを出しているだけだったりします。たしかに勇気は必要でしょうが、誰が判断しても結論は同じなのですから、そういうものは「決断」とは呼びません。
本当の「決断」とは、二者択一のように、人によって判断が分かれるような選択肢の中から、経営者が最善と思うものを選び取ることだと思います。

「これしかない」という状態では、止まるが進むか違いはあっても、到達点は同じです。そこに追い込まれてしまうと舵取りができませんから、経営者はできるだけ多くのオプションをもっておくべきでしょう。オプションと同様に持っておくべきものは、「ポートフォリオ」です。いくつかの事業の柱を持ってポートフォリオを組み、経営を安定させていく。当たり前のことですが、意識的にやっている人は意外に少ないようです。


ところが往々にして、ひとつの事業がうまくいっていると、チャンスがあっても次の事業にトライしようとしなくなります。「うまくいっているのだから、わざわざ冒険しなくても」と思うからでしょう。空にむかった投げたボールが、いつまでもあがっていくでしょうか。現実を知っている経営者は、上がったボールはいつか落ちてくると知っていますから、落ちるボールを確実に拾う為に準備をし、次の手を打ちます。そうやって事業を長期的に安定させていくわけです。
その結果、複数の事業が絡み合って安定していくと、今度は社員に「甘え」が出てきます。「うちはこれで、そこそこやれているから大丈夫」と仕事の手綱を緩めてしまう状態がうまれてきます。こうなると、もっと伸ばせる事業が頭打ちになり、会社は飛躍することができません。
そういう現象を防ぐためには、社員に日頃から危機感を持たせておくことが大切です。


参考:「儲かる会社の社長の条件」 小山 昇 氏
文責:ワンストップソリューション部


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