顧問先の社長さんから「損益計算書の上では1,000,000円の黒字が出ているのに、通帳の残高は100,000円しか無いけど・・・。」と言われることがあります。
これは、期間損益計算と収支計算(キャッシュフロー計算)の違いを把握されていないためです。
損益計算書における利益とは、発生主義会計による利益、つまりは収益の計上は実現主義により認識し費用の計上は発生主義により認識し、更に費用収益対応の原則により期間費用と期間収益を対応させることによって、その差額が利益となります。
実現主義による収益の認識も発生主義による費用の認識も、お金を受け取った、又は、支払った時点で認識を行うわけではないので、少なからず売掛金(買掛金)、受取手形(支払手形)等の信用取引=貸倒等のリスクが発生します。
掛や手形などの信用取引を行わず、商品の在庫も持たないで全ての取引を即お金で決済するのであれば、お金の残高=利益となり、貸倒等のリスクもありませんが現実にそのような取引は皆無です。
そして相手の支払い能力を考えず、ノルマがあるから・・・と、とにかく売上を計上するため「支払いはいつでも結構です。」と闇雲に商品の販売を行ったり役務提供を行ったりすると、売上代金の回収は未定、又は、貸倒となり回収不能になるが、仕入代金の支払いや借入金の返済は定期的に発生することになり、前述の社長さんが言われたような、「利益は出ているがお金が無い」状態になり、最終的には「黒字倒産」という結果になってしまいます。
このような「黒字倒産」を防ぐためにも、商品販売契約や役務提供契約を結ぶ前に十分に相手の支払い能力を見極めることが大切です。

 
文責 北九州支店


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