1弁護士法改正の動向
 弁護士法改正については、上記第3章のとおりであり、現在は進捗していないが、今後この構想がもっと進むかどうかわからない状況である。

2公認会計士法改正の動向
 税理士とは一番関係が深く、業際が未だに不明確であり、今後は公認会計士法、税理士法の両方が改正している状況である。その事象としては、税理士会が公認会計士協会に建議書として、提出している事項がある。
ところで、改正公認会計士法については、以下のとおりである。
 (1)平成18年4月1日施行改正公認会計士法
  主な内容
  A.監査人の独立性強化への対応
   1)大会社等への監査証明業務と非監査業務の同時提供の禁止
    公認会計士(監査法人含む。以下同じ)が、大会社等から内閣政令で定める非監査証明業務により継続的報酬を受けている場合には、当該大会社に対して監査証明業務を行うことを禁止する。
   2)公認会計士の同一の大会社等に対する継続的監査の制限(いわゆるローテーション)
    ア)公認会計士が、七会計期間以内の政令で定める期間継続して同一の大会社等に対して監査関連業務を行った場合には、政令で定める会計期間、当該大会社等に対して監査関連業務を行うことを禁止することとする。
    イ)公認会計士は、大会社等に対する監査証明業務を行うときは、他の公認会計士等と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用しなければならないこととする。
   3)公認会計士の就職制限
 が導入された。また、非監査会社との経済的又は身分的独立性の関係に関する規制の見直しも行われ、非監査会社等の株式保有又は出資の全面禁止などの措置が講じられた。
  B.公認会計士・監査審議会によるモニタリング
   これまで協会が自主規制として行ってきた品質管理レビューの実効性を高めるため、「公認会計士・監査審議会」が協会の品質レビューをモニタリングしていくという制度が新設導入された。
   公認会計士・監査審査会がモニタリングした結果、公益又は投資家保護のため必要かつ適当であると認められるときは監査事務所への立入検査が実施され、適正な運営を確保する必要があると認められる場合には、事務・業務の改善の指示が出されることになる。
  C.指定社員制度の導入
   1)監査法人は、特定の証明について、業務を担当する社員を指定することができる。
   2)指定された証明(以下「指定証明」という。)については、指定を受けた社員(以下「指定社員」という)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負うとともに、監査法人を代表することとする。
   3)指定証明に関し非監査会社等に対して負担することとなった監査法人の債務をその監査法人の財産をもって完済することができないときは、指定社員のみが無限連帯責任を負うこととする。
  D.特定の事項についての業務の制限
監査法人の関与社員が関与した会社等の役員等に就任した場合には、当該監査法人はその翌会計期間まで当該会社に対して監査業務を行ってはならないこととする。

 (2)公認会計士法再改正の動向と税理士の将来像への影響
  上記(1)?1)の大会社等への監査業務と非監査業務の同時提供の禁止について、JSOX法 が公認会計士法の再改正に影響し、従来監査法人が担当されていた税務やコンサルティング業務は税理士が担うことになった(※1) 。
  このことは、今後において公認会計士と税理士の会計や税務についての役割分担が明確になり、税理士の活躍できる分野が、中小企業の会計・税務・コンサルティング業務等の従来業務に加え、大企業等の税務業務等に広がったことを意味し、研鑽する分野が増えると共に税理士が大会社の税務顧問として活躍できることとなり、税理士像が一変するであろう。

※1:仁木安一編「TKC9?416 平成19年9月号」TKC p17。

文責:企業部


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