皆さんは「信託」と聞けば、「信託銀行」を真っ先に連想するのではないでしょうか?
「信託」とは、字のごとく「信じて託する」ものです。つまり、ご自身の財産を信頼できる人に託することなのです。この「信託」を利用することでご自身の今後のライフプランの策定にも幅が広がることになります。
 例えば、ご自身が高齢になり「判断力に自信がなくなってきた」と思われているとします。財産をご自身で管理することに不安を覚えているが、財産を贈与してしまうと生活に不安を感じることもあるでしょう。そこで、「信託」を利用するのです。

1.母親は信託を利用して、アパートの土地・家屋について子を受託者にした。

2.ただし、アパートの収入(受益権)は母親のものとした。

 税法上は、受益者(母親)が資産を所有するものとみなされます。
 登記上は、所有権移転(信託)となるのですが、譲渡益課税は行われません。また、子に所有権が移るのですが、不動産取得税は課税されずに、登録免許税も信託についての0.2%となります。

 また、母親に債務がある場合に、土地・建物は子に移転登記されていることから、債権者は土地・建物を差し押さえすることができません。(ただし、アパートの収入である受益権をさしおさえることは可能です。)逆に、子に債務があるような場合にも、信託財産とされた土地・建物は差し押さえることはできません。

 実際に、信託を介護施設なども利用しているそうです。ただし、信託はよく考えてから行わないと税負担が重くなる場合もあります。信託の一番重要なことは、受託者に本当に信頼できる良い人材を確保することなのです。信託を行うには信託銀行が絶対に必要だとは思わないでください。現状は、まだまだ信託のスキームは利用されている例は非常に少ないと思われます。しかしながら、公正証書遺言に代わる新しい遺言の形態になりうることから、今後注目していくことが重要です。

文責 資産税部


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