企業活動は永続しなければなりません。単なるお金儲けのためだけならば成長段階のある時点で売却してしまうとかの方法もあるでしょうが、企業とはそもそも社会的な活動をしています。もちろん生活のためという理由もありますが、自分の利己的な欲望というよりも、企業活動が世の中で価値のあるものであって有用なものとして歓迎されていることの方が大切です。
  どんなに優れた経営者であろうと、たった一人で成果をあげることはできません。多くの仲間が集まり組織となることによって、一人でやるよりももっと多くの成果を生むことができるからこそ、企業なのです。
  経営者は企業内のトップランナーであると同時に、幹部に対してはよいコーチでなくてはなりません。その人の持っている強みを発見し、矯正しながらも小さな成功体験を積み重ねることで自信を持てるよう仕向けていく責任があります。コーチングのやり方ですが、一律の正解があるのではなく、経営者と幹部その人との相性で決めることになります。
  人間は評価、判定されることが嫌いです。できれば避けたいものです。また、判定する方もよく知っていればいるほど、情に流されやすいものです。しかし、成長のためには幹部にモノサシを当てはめることも必要です。これは企業外部の環境が持つモノサシです。
  井の中の蛙を作るのではなく、競合相手の企業でも十分に通用する幹部を育成しなければなりません。その尺度がなければ、育成しようにも方向が定まりません。
  人材育成には目的があります。オールマイティの完璧な人間など存在しませんし、求める必要もありません。また潜在的な能力を評価しても仕方ありません。顕在化され発揮された能力のみが企業活動では意味を持ちますし、この発揮された能力とは事業戦略の方向性と一致していなくてはなりません。
  要は、優れたコーチとは、明確な目的のもとに選手の持てる能力を最大限に発揮させ、勝利できるように仕立ててゆく存在です。その為には仕事を任せることも必要です。権限を与え、責任を持たせ、決められた目標に向かって自律的に働いていく幹部を育て、組織を作りあげていくことこそ、真の企業になっていくのではないでしょうか。
  自律的に働く幹部を育てるには、手取り足とり一から十まで教えていては間違いなく自律したものにはならないでしょう。
  仕事は教えてもらって覚えるものではありません。自分の力で見よう見まねで習って初めて自分のものにできるのです。苦労して得たものこそ真の力になり、それが企業の活力となります。経営者としては、部下のモチベーションを高め、自ら学習して育つような環境を作ってあげることが重要です。プロのリーダーがプロのスタッフ集団を作りそのプロのスタッフが企業を真のものへと成長させていくのです。そういった環境下で育った部下を経営者は信じ任せる事です。
  任せられた幹部・部下は自分で意外となんとかしようとするものです。

文責 ワンストップソリューション部


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