本から飛び出して映画化されるまでとなったピーター・ドラッカーだが、この「もしドラ」のおかげで、私たちにとって経営論がチョコレートのように身近になった。
さらにこの本だけでなく、元の基本書となるご本人著書の「マネジメント論」をはじめ、さらに様々な分野からの解説書が登場している。
今日は、その中で林聰氏著書の「ドラッカーと会計の話をしよう」(中経出版)という本をご紹介したい。

会計の本というと難しいものが多いなか、この本は「もしドラ」同様、手に取りやすい物語風である。
主人公は、イタリアンレストランの経営がうまくいかず、家族からも見放された元銀行マン。最後の頼みの綱としてロスの投資家に会うため、乗り込んだ飛行機で、たまたま隣り合わせた初老の男性に経営の基本を学ぶという話。
「儲かっているのかね」という一言から、レクチャーを受けることになる。
まずは「利益=儲けではない」と、会計システムの問題点から、それにふりまわされる経営がどんなに危ういかというP/L思考脱却論の第1章に始まり、商品管理、コスト管理についてと、経営の根幹となる話ながら、経理に疎い人間でも面白く読み進めることができるようになっている。
中でも、私が楽しく読んだのは、「寿司屋の松竹梅はどれがお得か?」という章。たまたま、別のビジネス書を読んだときもこの話が出てきていたので注目したのだが、「どれにする?」と相手に3つ並べた場合、人間の心理として、選ばれるのは真ん中だそうだ。
一番高いものは抵抗があるし、安いものだと不安。真ん中にしておこうか・・・。
そこで、寿司屋は「竹」の利益率を高くしていると。(どこの寿司屋でもそうだというわけではないだろうから、ごめんなさい。)
話は、成田離陸からロスに到着するまで続き、最後に「解決できない課題など存在しない」という、なかなかの心に響く言葉でフライトは終わる。

そして、2年後-。再会の折、主人公がどうなっていたかは本でのお楽しみ。



にほんブログ村 士業ブログへ
↑↑ランキングに参加しています。クリックをお願いします。

Pronet Group HP
↑↑弊社ホームページもぜひご覧下さい。




なかのひと