経営者が必要とする経営分析は、単なる分析ではなく、その結果が経営改善につながり、最終的には企業の業績向上につながる必要があります。経営分析の結果を企業の利益アップにつなげるには、経営分析データの中からその企業の問題点を発見し、さらにその問題点を解決するための対策を立て、実行する必要があるのです。
しかし、財務分析が中心の経営分析では、表面的な問題点を見つけることはできますが、真の問題点の発見や、対策立てまでにはなかなか至りません。それは、表面的な問題点は財務データを調べて業界平均と比べれば比較的簡単に見つかりますが、対策はその企業の経営プロセスや生産方法に精通していないと難しいからです。

経営分析で企業の利益率が低いことが判明した場合の、分析から対策実行までの流れ

①現状分析
 企業の損益計算書、貸借対照表などを使い、企業の様々な財務指標を他社や業界平均と比べる(財務会計)

②問題点の発見
財務指標の中の「売上高利益率」が業界平均の半分しかないことが判明する(財務会計)

③対策立案
企業の売上高利益率が低い原因を調べるために、製品例の利益率を調査する(ここからは管理会計)。その結果、もっとも売上が大きい製品が赤字であることが判明。その製品を黒字にするために、製品の設計内容見直し、製造方法改善、材料の購入メーカー変更といった対策を決める。

④対策実行
決めた対策を実行し、効果を確認する。

問題点の発見までは財務会計でできますが、そこから先の対策立案と実行は財務会計だけでは力不足で管理会計の出番になります。対策立案は製品の設計内容、製造方法、材料の調達方法を理解していないとできません。経営会議につながる経営分析を行うためには、分析を経理部門だけに任せるのではなく、開発・製造・材料調達のメンバーも参加して行うことが必要だと思います。

文責:経理サポート部 参考:経営分析がよーくわかる本 著:堀口 敬
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