前回の6月14日のブログでは、売上除外について書かせていただきました。この売上除外は、一般的には小売業や飲食業に多くみられ、やり方としてはコツコツ抜いていくイメージがありますが、今日お話しする棚卸計上漏れは、決算期において一度に所得を減らして税金を逃れるものです。

<棚卸計上漏れ>
期末棚卸は、通常、以下の仕訳によって行われます。

商品×××/期末商品棚卸高×××

借方の商品は在庫高、貸方の期末商品棚卸高は当期の売上に対応していない仕入経費の除外を表しています。つまり、棚卸在庫を少なく計上すれば、貸方でする仕入経費のマイナスも少ないため、仕入原価が上がり、粗利が下がって、税金の対象となる所得が減るというわけです。これは、ご覧の通り、在庫を少なくしようと思えば仕訳一つで簡単に出来てしまうため、税務署も目を光らせる部分です。したがって、我々の立場としても原価率の推移や在庫の回転日数をみることが重要になってきます。
税務調査では、決算期前数カ月間で仕入れた商品のうち高額商品をピックアップし、どの商品が売れてどの商品が残っているかというのを、請求書、仕入帳、売上帳、在庫帳などをもとにチェックされます。
ここで気を付けなければならないのは、仕掛品がある業種です。仕掛品には労務費が含まれていない場合が多く見られます。当該仕掛品作製に要した時間に基本給などひと月の全労働時間で割ったものを乗じた額、また、完成していないものに対しての外注費の支払い額などを仕掛品に計上しておかないと、棚卸計上漏れとなりますのでご注意ください。


文責:事業承継部
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